シニアが転職に成功するにはどうしたらいいでしょう ?
シニアが転職・再就職するのは確かに難しいです。
50歳を超えると採用しても定年に近いとして敬遠されてしまいます。
また、一般的に年齢が高くなると給料が高くなるのでやはり敬遠されがちです。
でも、ポイントを抑えて準備をしっかり行えば道はひらける可能性が高くなります。
ここではシニアが転職に成功するための6つのポイントと、その前の準備として踏むべきステップについて、また、企業がシニアに何を求めるのかについて解説してゆきます。
シニアの定義~何歳から ?
そもそもシニアって何歳から言うのでしょうか ?
国連の世界保健機関(WHO)では、65歳以上の人のことをシニアと定義しています。
厚生労働省でも65歳以上の人を高齢者、つまりシニアと定義しています。
ただ、東京都が雇用・就業を支援するために設置した東京しごとセンターでは55歳以上をシニアとしていますから、絶対的な定義ではないようです。
この記事では、アバウトに60歳前後を中心に55歳以上の人や65歳以上の人を対象として書かせていただきました。
シニアの転職市場はどうなってる ?
シニアに対する求人は決して多いとはいえません。
でも、少子高齢化に起因する労働人口の減少から、次第に間口が広がってきています。
出典 :
総務省
我が国の高齢化の推移と将来推計
より転載
グラフから、総人口に占める就労人口である15歳から64歳の占める割合が年々減少してゆくことがお分かりいただけると思います。
ですから、厳しいとはいえ、逆に65歳以上の転職や再就職の市場は今後は拡大してゆくと予想されるのです。
採用する側がシニアに求めるもの
採用する側がシニアに求めるものは何かを知ることで、自分はどんな就職先を探すべきか決めて情報収集することができます。
採用する側がシニア求めるものは次の3つのいずれか、またはそれらの組み合わせです。
・即戦力
・管理能力
・低コストの労働力
即戦力
シニアを即戦力として求める企業は成長している優良企業と言えます。
なぜなら高い給料を払っても優秀な人材を採用するのは財政面に余力のある証拠だからです。
専門分野での実力に自信のある方が応募すれば採用される可能性があります。
管理能力
シニアに多く求めらるのは管理能力です。
部下や組織をうまくまとめる力。
方向性を示してメンバー間の調整に長けた人が求められます。
組織内でトラブルが発生したときにオロオロする人には向きません。
低コストの労働力
65歳以上は年金をもらいながら働くことができるので、むしろ低賃金で採用できるため、歓迎する企業が増えているようですよ。
シニアの転職・再就職へのステップ
シニアが転職・再就職を成功させるにはそれなりのステップを踏む必要があります。
手当たり次第に応募しても就職は難しいと言わざるを得ません。
必要なステップは次の通りです。
キャリアの棚卸 → 分野の決定 → 情報収集 → 選択 → 計画 → 就活
ひとつずつご説明しますね。
自分のキャリアの棚卸
自分がこれまで携わってきた業務をリストアップし、自己分析をします。
そして自分は何ができるのかを整理することが重要です。
できることは一つのことだけではなく、意外と複数見つかるかも知れません。
キャリアの棚卸は就活のターゲットを絞ることや間口を広げるために必須ですよ。
仕事の分野を決定する
キャリアの棚卸が終わったら、次に仕事の分野を決定します。
経理マンとして働くのか、人事・総務などの管理部門で働くか、あるいは技術者を取りまとめる仕事をするのか、など、これからの自分のキャリアを選択するということです。
情報収集
次はいよいよ情報収集です。
自分が進もうとするキャリアを求めている企業を探します。
手段は
・ハローワーク
・求人サイト
・エージェントに登録する
・就活セミナーやイベント、企業の説明会に参加する
など、いずれもインターネットを活用して情報収集やセミナーなどへの参加申し込みをすることができます。
選択
収集した情報を比較検討して応募する会社を複数選択します。
計画
応募までの計画を練ります。
履歴書の作成、職務経歴書のマスターの作成、面接に備えて想定問答の受け答えの作成などを行います。
応募する順番はこだわらなくともよいです。
必ずしも志望度がそれほど高くない会社でも面接まで進んだら意外と自分に合っていそうなこともありますから。
ここで、職務経歴書のマスターについてご説明しますね。
職務経歴書のマスターには、これまでの自分の職務経歴を余すところなく細かく記載しておきます。
そして、実際に応募する場合は応募先に合わせて最も求められているであろうキャリアは詳しいままにしておいて、さほど応募先に関係のないキャリアはごく簡単な記載に変更するのです。
一度職務経歴書のマスターを作っておけば応募先に合わせてアレンジすることができるので、ぜひ作成しておくとよいです。
ここまでで就活の準備ができます。
就活
就活の計画まで準備が出来たらいよいよ就活の実行に移ります。
応募してどこにも採用されなくてもあきらめてはいけません。
また情報収集に戻ってこれまでの作業を繰り返すのです。
場合によっては仕事の分野の決定を誤っていると思ったら再度戻って決定をやり直すことも必要です。
シニアが転職に成功する6つのポイント
採用する側がシニアに求めるもの、そして転職・再就職へのステップが分かったところで、いよいよシニアが転職に成功するポイントをお伝えしましょう。
条件にこだわらない
高い条件を求めると自ら門戸を閉ざす結果となります。
転職先、再就職先に対して高い条件を求めずに自分が譲れない最低限の条件に絞り込むことがシニアの転職を成功させるポイントです。
特に年収は自分が暮らして行ける下限を確認して、それ以上であればこだわりを捨てることで転職は成功しやすくなります。
最低限の条件を満たしていれば、「働ける」ことが幸せと考えると良いです。
未経験の仕事は避ける
働ければどんな仕事でも良いと考えて、未経験の仕事に応募してもシニアはアピールすることができません。
若い人ならこれから伸びることが期待できますが、シニアで未経験なら採用する側は相手にしてくれません。
無駄な応募となってしまいます。
やはり、自分に「できる」仕事を選ぶのが、シニアが就活で成功する条件のひとつとなります。
やりたいことではなくできることを選ぶ
ひとつ前の項とある意味カブリますが、未経験だけどやりたいと思う仕事があるかも知れません。
でも、シニアの仕事は「できること」で探さないといくら応募しても全滅となります。
「やりたいこと」=「できること」
なら良いですが、「やりたいこと」と「できること」が別なら、迷うことなく「できること」で応募しなければ採用する側は振り向いてくれません。
先にご説明した自分の棚卸はここで役に立つのです。
プライドは捨てる
運よく書類選考に通って面接に進めた場合、プライドは捨てて謙虚な態度で臨むことがシニアの転職成功のポイントのひとつです。
面接官は、過度の自信やプライドを感じさせる応募者を敬遠します。
かえって適応能力がなく扱いづらいと判断するからです。
また、シニアで転職や再就職すると、自分より若い人の部下になることがあります。
年上ということで変なプライドを見せると周りと協調できなく、浮いてしまって居心地が悪くなります。
せっかく就職できても再び離職するハメになりかねません。
プライドを捨てる。
逆に言うと謙虚であることが成功のポイントとなります。
収入ダウンを覚悟する
条件にこだわらないの項でも述べましたが、シニアの転職・再就職では収入ダウンは普通だと思った方が良いです。
時短や嘱託勤務という選択肢もある
60歳、とりわけ65歳を過ぎてからの正社員としての転職・再就職は難しくなります。
そこで視野に入れたのが時短勤務や週2~3日の嘱託勤務。
もちろん収入は多くは望めません。
ですが、年金をもらいながら働くことができますから生活することはできます。
時短や嘱託勤務を視野に入れると選択肢を広げることができますよ。
ただし、年金をもらいながら働く場合は注意することが2つあります。
ひとつは、65歳前に年金をもらうと減額されるということです。
これを年金の繰り上げ受給と言います。
減額率=(繰上げ請求月から65歳に達する日の属する月の前月までの月数)×0.5%
仮に、60歳から年金を受け取ると、
減額率=12ヵ月×5年×0.5%=30%
と、なんと30%も減額されてしまいます。
そしてこれは生涯変わりませんから、繰り上げ受給は良く考えた上で申請してくださいね。
ふたつ目は収入が多い場合は年金が減額されるということです。
年金月額と給与月額を足して28万円以下であれば年金が減額されることはありませんが、超えた場合は4通りのパターンで減額されます。
但し、働くことで総収入は増えますから、働いたら損ということではありません。
詳しくはこちらにまとめてありますのでご参照ください。
年金は働くと減額されるって本当 ? 具体的な額を例で説明
おわりに
いかがでしたか?
シニアが転職に成功する6つのポイントと、その前の準備として踏むべきステップについて、また、企業がシニアに何を求めるのかについてご説明してきましたが参考になりましたでしょうか ?
シニアであるあなたが転職・再就職に成功しますように !
最後までお読みくださってありがとうございました。