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定年後は給料が下がる ! 補う4つの仕組みを解説

この記事を読むのに必要な時間は約 16 分です。

定年後は給料下がるなぁ・・・どうやって補うか・・・?

定年後は給料が下がるのが一般的です。

 

高年齢者雇用安定法によって、会社は希望者全員を65歳まで雇用する義務があります。

 

でも、たとえ希望して今の会社に再雇用・継続雇用されるにしても、今の会社を退職して別な会社に再就職するにしても、ほとんどの人は給料が下がります。

 

給料だけでは生活できなくなるケースが出てきます。

そこで活用したいのが公的制度。

 

ここでは60歳で定年後に給料が下がることを前提に、下がった給料の一部を補う仕組みについて、分かりやすく解説してゆきます。

 

 

下がった給料を補う仕組みとしては次の4つがあります。

 

 

下がった給料を補う4つの仕組み

・年金をもらいながら働く
・継続雇用されて高年齢雇用継続基本給付金をもらいながら働く
・再就職して高年齢再就職給付金をもらいながら働く
・再就職して再就職手当をもらう

 

はじめに要点を表にしておきますね。

 

年金(在職老齢年金)をもらう高年齢雇用継続基本給付金高年齢再就職給付金再就職手当
年金との併給年金の支給停止あり← 同左
主な条件60 歳までに保険料を10年以上(免除期間も含む)納めている・失業保険をもらっていない
・継続雇用後の賃金が60歳到達時の75%未満
・雇用保険加入期間が5年以上
・失業保険をもらっている
・継続雇用後の賃金が60歳到達時の75%未満である
・雇用保険加入期間が5年以上ある
・失業保険の支給残日数が100日以上ある
・失業保険の支給残日数が3分の1以上あること
・過去3年以内に再就職手当や常用就職支度手当の支給を受けたことがない
金  額・年金保険料を納めた額と期間によって決定される
・繰上期間に応じて減額
・給料の額に応じて減額
継続雇用後の賃金の低下率による
支給率は継続雇用後の賃金の最大15%
← 同左
(継続雇用を再就職に読み替える)
基本手当日額
×基本手当支給残日数
×60% or 70%
(残日数による)
支給頻度2か月毎2か月毎← 同左1回のみ・一括支給
支給期間生涯60歳~65歳最長2年間

 

それでは順にご説明しますね。

 

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年金をもらいながら働く

60歳で定年となったら年金をもらうこともできます。

ただし、減額されるので要注意です。

 

繰上受給による減額

本来、年金は65歳から支給されるものですが、申請すれば60歳からもらうことが可能です。

 

これを年金の繰上受給と言います。

 

年金は繰り上げ受給することで減額されてしまいます。

減額の率は1ヵ月につき0.5%(2023年4月からは0.4%)です。

 

60歳から受給すると0.5%/月×12ヵ月×5年=30% 減額されて、本来65歳から受け取れる年金の7割しかもらえなくなってしまうことを覚えておいてください。

 

そして、いったん減額された年金はもとに戻せません。

一生そのままですから、繰上げ受給は慎重に行う必要があります。

 

繰下受給もあります

ちなみに、逆に年金をもらう年齢を65歳より後にすると、将来年金をもらうときに額が増えます。
これを繰下受給と言います。

増加の割合は、1ヵ月につき0.7%です。

受け取る時期を5年間遅らせて70歳からにすると 0.7%/月×12ヵ月×5年間=42% 増えることになります。

 

 

在職老齢年金の減額条件

さて、60裁以降で年金をもらいながら働くこともできます。

働きながらもらう年金を「在職老齢年金」と言います。

 

在職老齢年金は働かないで年金をもらう場合に比べて減額(支給停止)されることがあります。

 

ここで減額の対象となる年金とは繰上受給によって既に減額された後の年金です。

つまり、年金は繰上受注と在職老齢年金の減額とダブルで減額されてしまうことがあるということです。

 

65歳前の年金減額要因

・繰上受給による減額
・在所老齢年金の支給停止による減額

 

年金は働きながらもらうとカットされますが、それでも受け取る総額は年金だけよりも多くなりますから、働くと「損」ということではありません。

 

ただ、年金の繰上受給は生涯受け取る年金が減額されたままで、額の復活はできませんから、これだけは「損」です。

 

可能であれば避けた方が良いですよ。

 

では、在職老齢年金の減額条件を見ておきましょう。

47万円が減額されるかどうかの境目です。

 

年金月額 + 総報酬月額相当額 ≦ 47万円

 

であれば支給停止はありません。

総報酬月額相当額とは何かについては下の囲みでご確認ください。

 

総報酬月額相当額とは

・総報酬月額相当額 = 給料の標準報酬月額+1年間の賞与÷12

 

総報酬月額相当額は長いので、ここからは簡単に「給与月額」と言い換えますね。

 

在職老齢年金はいくら減額されるか

具体的にいくら支給停止されるかと言うと、

 

年金月額 + 総報酬月額相当額 > 47万円

 

となった場合に、

(年金月額 +給与月額 – 28万円) x 0.5  が減額されます。

 

詳しくはこちらにまとめておきましたので、ご参照ください。

年金は働くと減額されるって本当 ? 具体的な額を例で説明

 

次にご説明する「高年齢雇用継続基本給付金」をもらうと、年金はさらに減額されることがあります。

 

 

 

継続雇用されて高年齢雇用継続基本給付金をもらいながら働く

次に、継続雇用されて高年齢雇用継続基本給付金をもらいながら働くケースについてご説明しましょう。

 

高年齢雇用継続基本給付金とは、60歳以降で再雇用あるいは継続雇用されたときに、賃金が60歳到達時の75%未満になると支給される「雇用保険」の仕組みです。

 

高年齢雇用継続基本給付金の支給条件

条件は次の4つです。

 

高年齢雇用継続基本給付金の受給条件

・60歳以上65歳未満の雇用被保険者であること
・再雇用後の賃金月額が60歳到達時の75%未満であること
・雇用保険加入期間が5年以上あること
・失業保険(雇用保険の基本手当)をもらっていないこと

 

なお、ここで言う「賃金」とは次のように求められた額を指します。

 

60歳到達時の賃金月額とは

60歳に到達する前6か月間の総支給額(賞与は除く)を180で割った賃金日額の30日分の額

 

冒頭の一覧表に、高年齢雇用継続基本給付金の受給条件として「失業保険をもらっていないこと」を記載しましたが、実は例外があります。

 

継続雇用を希望せずに退職して、失業保険をもらってから別の会社に再就職した場合です。

 

再就職後の賃金が退職前の75%未満で、且つ失業保険の支給残日数が100日以上あれば高年齢雇用継続基本給付金をもらうことができるのです。

 

高年齢雇用継続基本給付金の支給額

高年齢雇用継続基本給付金は、最大で再雇用後の賃金の15%が支給されます。

 

再雇用後の賃金が60歳到達時の61%以下なら支給率は15%で、賃金低下率が62%~74%は13.7%~0.88%まで賃金低下率に応じて下の表のように変わります。

 

 

現在の給料の60歳時の賃金に対する割合高年齢継続基本給付金の60歳以降の賃金に対する支給率
75%0.00%
74%0.88%
73%1.79%
72%2.72%
71%3.68%
70%4.67%
69%5.68%
68%6.73%
67%7.80%
66%8.91%
65%10.05%
64%11.23%
63%12.45%
62%13.70%
61%以下15.00%

 

 

但し、支給額には上限があります。

 

2022年1月時点では360,584円ですが毎年8月1日以降に見直されます。

 

賃金額と高年齢雇用継続給付額の合計が限度額を超える場合は、

 

支給額 = 360,584円 - 支払われた賃金額

 

となります。

 

高年齢雇用継続基本給付金の支給期間

支給期間は60歳になった月から65歳までです。

 

 

再就職して高年齢再就職給付金をもらいながら働く

定年後退職したら65歳未満なら失業保険をもらうことができます。

 

そして、その後再就職後の賃金が60歳到達時の75%未満に低下した場合は「高年齢再就職給付金」をもらうことができます。

 

高年齢再就職給付金の支給条件

 

高年齢再就職給付金の支給条件は次の5つです。

 

高年齢再就職給付金の支給条件

・60歳以上で失業保険を受給中に再就職したこと
・再就職後の賃金が、退職前の75%未満となったこと
・失業保険の支給残日数が100日以上あること
・再就職後、1年以上雇用されることが確実であること
・雇用保険加入期間が5年以上あること

 

 

なお、後でご説明する再就職手当をもらった場合は高年齢再就職給付金を受けることはできません。

 

高年齢再就職給付金の支給額

高年齢雇用継続基本給付金は、最大で再雇用後の賃金の15%が支給されます。

 

「高年齢雇用継続基本給付金」と同じ方法で算出されますので上の支給率の表をご参照ください。

 

上の表の「高年齢継続基本給付金の60歳以降の賃金に対する支給率」を「高年齢再就職給付金の60歳以降の賃金に対する支給率」と読み替えると良いです。

 

支給額の上限も「高年齢雇用継続基本給付金」と同じです。

 

高年齢再就職給付金の支給期間

高年齢再就職給付金の給付対象期間は60歳に到達した月から、65歳に達する月までですが、最長で2年間です。

 

支給残日数が200日以上あれば2年間、100日以上200日未満の場合は1年間となります。

 

 

再就職して再就職手当をもらう

失業保険をもらいながら求職をして、再就職した場合、「高年齢再就職給付金をもらいながら働く」ほかに、「再就職手当」をもらうという選択肢があります。

 

先ほどお伝えしたように、両方の併給はできません。

 

「再就職手当」には年齢制限はありませんがもらえるのは1回だけです。

 

もらえる額は

 

再就職手当支給額 = 基本手当日額 x支給残日数 x支給率

 

で、支給率は、支給残日数が3分の1以上なら60%で、3分の2以上なら70%となります。

 

基本手当日額とは

離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金(賞与等は除く)の合計を180で割って算出した金額

 

おわりに

いかがでしたか ?

定年後に給料が下がる場合の4つの補填についてお伝えしてきましたが参考になりましたでしょうか ?

一部本記事と内容がかぶりますが、「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」の比較、そして「高年齢再就職給付金」と「再就職手当」の比較をおのおの別記事にまとめておきましたので、あわせてお読みいただければより理解が深まるかと思います。

再雇用と再就職の違い~これを知ればどちらが得かが分かる !

高年齢再就職給付金と再就職手当はどっちが得 ? 試算の結果。

 

定年後も頑張って生きていきましょうね !

 

最後までお読みくださってありがとうございました。