自分の年収の確認のしかた分かりますか ?
特に、転職のときは年収の交渉はとても大事。
転職の際の待遇面の交渉は、月々の給料だけでなく、賞与も含めた「年収」で交渉することをおすすめします。
月々の給料が満足ゆくものでも、賞与が低ければ「年収」としては満足できないからです。
それに、給料は一度決まると最低1年間はそのままです。
なので、交渉のためには自分の年収がいくらなのか、しっかり把握しておく必要があります。
年収は、「源泉徴収票」を見れば分かります。
では、「源泉徴収票」のどこを見ればよいか ?
ここでは、年収の確認のために、源泉徴収票の見方について分かり易く解説したいと思います。
源泉徴収票の見方
給与・賞与からはいろいろ差し引かれていますよね。
健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税がそうです。
これらを、給与から差し引くことを「源泉徴収」と言います。
会社が給与・賞与から差し引いて、本人の代わりに納める方法を取っているのです。
その方が、納付を忘れたりすることがないので、徴収する側にとっては好都合だからです。
年収とは支払金額
では、さっそく「年収」を見てみましょう。
年収とは源泉徴収票に記載された「支払金額」を言います。
これが、会社があなたに支払った総額で、ここから社会保険料や税金などが差し引かれて手取りとなります。
転職の際、交渉する年収はこの「支払金額」となります。
「支払金額」は、月々の給与と賞与の合計です。
その中には、次のものが含まれています。
・基本給
・扶養手当
・通勤手当
・役職手当
・その他手当
冒頭でもお伝えしましたが、転職の際の待遇面の交渉は、月額の給料だけでなく、賞与も含めた年収で行うことをおすすめします。
月額の給料が満足いくものでも、賞与が少ないこともありますから、年収ベースで交渉するのです。
ここで注意しておきたいのは、転職するとふつうは最初の賞与がもらえないということです。
賞与は通常、過去6ヵ月の仕事の実績を考慮して払われるものだからです。
なので、年収を交渉しても最初の賞与が「ない」ので、初年度の年収は交渉で決まった額より低くなってしまいます。
最初の賞与からもらうためには、別途交渉が必要です。
ご自分の「実力」に自信があるなら、次のように交渉してみると良いですよ。
「たいへん勝手なお願いで恐縮ですが、満額でなくともかまいませんので、最初の賞与から頂くことは可能でしょうか ?」
「ずうずうしいヤツ」と思われるかも知れませんが、最初の賞与を要求した分、仕事で応えられると思う場合は、交渉してみると意外と通ることがありますから・・・。
せっかくですから、源泉徴収票のほかの項目も見ておきましょう。
給与所得控除後の金額~必要経費を抜く
支払金額から「給与所得控除額」を引いた金額です。
「給与所得控除額」って、名称からすると、給与から差し引かれる額と混同しそうですね。
「給与所得控除額」とは、簡単に言うと課税対象となる額を少なくするための措置です。
個人事業主なら、所得から、「必要経費」を引いた額が課税対象となります。
でも、会社員の場合は「必要経費」をひとりずつ計算するのは非常にやっかいで、現実的にはとても無理です。
そこで、国税庁が年収に応じて「必要経費」に相当する額を定めたのが、「給与所得控除額」なんです。
源泉徴収票ではこの額は記載されません。
記載されているのが、支払金額から「給与所得控除額」を引いた「給与所得控除後の金額」なのです。
所得控除の額の合計額~課税対象を少なく
さらに、次の額が所得から控除されます。
・基礎控除(一律に適用される控除)
・社会保険料控除
・生命保険料控除
・配偶者控除
・扶養控除
・地震保険料控除 など
これらが、「給与所得控除後の金額」からさらに差し引かれて課税対象額が計算されます。
源泉徴収税額~払った税金
源泉徴収税額とは、あなたが1年間に支払った所得税の額です。
つまり、給与・賞与の合計である「支払金額」から「給与所得控除額」と「所得控除の額の合計額」を差し引いた額に所得税率をかけて算出された金額です。
所得税率は所得の多い人には高く、所得の低い人には低く設定されています。
少し複雑なのでここでは詳しくご説明しませんが、「そういうものだ」くらいに覚えておいてください。
詳しく知りたい場合は、国税庁のホームページで所得税率を確認することができますよ。
年末調整ってなに ?
じつは、毎月の所得税は「仮」の額なんです。
例えば賞与にかかる所得税は前月の給与の税率を使って「仮」に決めたものです。
賞与が想定より多くなったり、少なくなったりで所得税率も変わります。
また、扶養家族が途中で増えたり、減ったりしてもやはり税率が変わります。
なので、1年間の所得が固まった時点でなければ年間の税金の額も決めせないのです。
そこで行われるのが「年末調整」。
年間の税金を取りすぎた場合は「還付」されますし、足りなかった場合は「追徴」されます。
そして、年末調整の額は源泉徴収票には記載されません。
源泉徴収票は年末調整後の金額を記載しているのです。
年末調整額は、たいていの会社では1月に1月の給与とは別に、明細書が配られますよ。
おわりに
いかがでしたか ?
転職の際の交渉に必要な「年収」の源泉徴収票からの見方とそのほかの数字が何を意味しているかについてご説明しましたが、参考になりましたでしょうか ?
あなたが源泉徴収票を正しく見て、転職の際の年収交渉に活かせますように !
最後までお読みくださってありがとうございます。