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70歳以上の社会保険はどうなる ? ~ 高齢で働く人のために。

この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。

70歳以上の社会保険 どうなるか分ってますか ?

人生100年時代と言われ、70歳以上でも働く人が増えていますね。

70歳以上の社会保険はどうなるでしょう ?

 

働いていれば厚生年金保険料も健康保険料も給料から天引きされるのが当たり前と思っていませんか?

 

じつは70歳になると社会保険の扱いは変わってしまうのです。

 

ここでは70歳以上の社会保険はどうなるのかについて、働く人のために解説してゆきます。

 

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70歳以上の社会保険

働く人の社会保険には冒頭述べたように、厚生年金保険料と健康保険料があります。

あと、介護保険についても触れておきますね。

 

働く人の社会保険年齢による扱い
厚生年金保険70歳未満は給料天引き

70到達すると被保険者資格を喪失し、天引きはなくなる

健康保険75歳未満は給料天引き

75歳で資格を喪失し、後期高齢者医療制度に加入

介護保険65歳まで給料天引き

65歳以降は年金天引き

年金をもらわずに働く場合は自分で納付

一生払い続ける

 

 

それではそれぞれについて詳しく説明してゆきましょう。

 

厚生年金の加入は70歳まで

厚生年金保険は70歳の誕生日の前日に被保険者の資格を喪失します。

そして保険料は、資格喪失日を含む月から徴収されなくなります。

 

その結果、70歳を過ぎても継続して働く場合は給料の手取りが増えます。

一方、当然ですが将来もらえる厚生年金は70歳以降は増加しないことになります。

 

但し年金の繰下げ受給を申し入れている場合は繰り下げ期間1ヵ月毎に0.7%年金が増加します。

 

詳しくはこちらの記事をご参照ください。

年金の繰り下げ手続きとは ? 取り消しもできる ?

 

また、70歳過ぎてから再就職した場合は初めから厚生年金保険の加入はありません。

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70歳になったら何か届出は必要か ?

本人は何もする必要はありません。

しかし、会社は日本年金機構に「70歳以上被用者」に関する各種の届け出を行います。

 

とりわけ「標準報酬月額相当額」は重要です。

理由は「在職老齢年金」は報酬によっては支給停止されることとなるからです。

 

具体的には給与(総報酬月額相当額)と年金月額(基本月額)との合計額が47万円を超える場合は、60歳台後半の場合と同様の計算式で年金が支給停止となります。

 

在職老齢年金の支給停止についてはこちらに詳しくまとめてありますよ。

在職老齢年金~支給停止の解除はいつから ? 額の計算も解説。

 

 

健康保険は70歳から変わるかも

70歳に達しても健康保険は継続します。

ただし、病院にかかった時の医療費の負担率が変わる可能性があります。

 

すべての国民は何らかの公的医療保険に加入していますね。

これを「国民皆保険制度」と言いますが、窓口での負担割合は原則3割です。

 

ところが70歳に達すると、人によってはい医療費の負担率が1割、2割、3割の3に区分されるのです。

 

給料に応じて「標準報酬月額」が決められます。

これは収入のランク分けみたいなもので、58,000円から1,390,000円まで50等級に分かれています。

 

例えば月給が25万円なら標準報酬月額は260,000円となります。

 

そして、70歳以上で標準報酬月額が28万円以上ならこれまで通り医療費は3割負担です。

標準報酬月額が28万円未満であれば、医療費負担は2割負担となります。

 

標準報酬月額医療費負担率
28万円以上3割負担
28万円未満2割負担※

※誕生日が昭和19年4月1日以前なら1割負担ですが、2021年現在は年齢が77歳なので既に健康保険から外れています。

 

70歳に達すると協会けんぽなどの健康保険組合から「高齢受給者証」が交付されます。

この「高齢受給者証」に医療費の負担率が記載されていますので、医療機関で受診する際に保険証と一緒に「高齢受給者証」窓口に提出します。

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健康保険は75歳で資格喪失~後期高齢者医療制度へ移行

健康保険は75歳の誕生日当日に資格喪失となります。

健康保険の対象外となるのですが、無保険状態では困りますよね。

「国民皆保険制度」ですから何らかの健康保険に加入しなければなりません。

 

75歳に達すると、「後期高齢者医療制度」に加入することになります。

自動的に加入となりますので、本人は何も手続きをする必要はありません。

 

後期高齢者医療制度は、健康保険組合ではなく、都道府県の広域連合が運営する制度です。

もちろん保険料を払わなくてはいけません。

 

後期高齢者医療制度の保険料は給料からは天引きされず、年金から天引きされます。

 

なお、健康保険被保険者証と健康保険高齢受給者証を事業主経由で保険者に返納しなければなりません。

 

 

健康保険は75歳で資格喪失~被扶養者はどうなる ?

75歳になって後期高齢者医療制度に移行した人に扶養されていた人(被扶養者)はどうなるでしょう ?

 

被扶養者も同時に健康保険の被保険者から外れることになります。

後期高齢者医療制度に移行した扶養者と同様に健康保険証を返納する必要があります。

 

そして、その後取るべき対応は次のいずれかです。

 

①自分で国民健康保険に加入する
②他の健康保険に加入している家族の被扶養者となる

 

他の家族の扶養に入れてもらえるなら国民健康保険に加入するよりお得です。

健康保険料を払わなくても良いですから。

 

健康保険の扶養に入れる条件をおさらいしておきましょう。

 

被扶養者になるには扶養者(被保険者)との続柄と収入が条件となります。

 

被扶養者の範囲

間柄の条件 : 3親等以内の親族であること(内縁関係も配偶者と見なされます)

 

扶養者(被保険者)と同一世帯かどうかで被扶養者になれる収入の限度額が異なります。

 

被扶養者になる収入条件

①被保険者と同一世帯に属している場合 年収が130万円未満で、かつ被保険者の年収の2分の1未満であること
②同一世帯に属していない場合 年収が130万円未満で、被保険者からの援助による収入額より少ないこと ※対象者が60歳以上もしくは障害厚生年金を受けている障害者の場合は①、②とも180万円未満

出典 : 協会けんぽ
被扶養者とは?

 

なお、扶養には健康保険の扶養と税扶養があります。

詳しくはこちらをご参照ください。

退職後 扶養に入る条件とは~年金や失業保険もらったらダメ?

 

 

介護保険料は65歳から天引きなし

介護保険料は65歳に達すると給料から天引きされなくなります。

「もう払わなくても良いのか、良かった。少し楽になる。」と思うのは間違いです。

 

介護保険料は一生払い続けなければなりません。

 

介護されてもされなくても払わなくてはならないのです。

 

65歳を過ぎて年金をもらっていれば介護保険料は年金から天引きされます。

 

ただし、年金の年額が18万円未満の場合は納付書または口座振替によって支払います。

 

年金を繰り下げ受給としているか、給料が高くて支給停止となっている人も自分で納付しなければいけませんよ。

 

年金の繰り下げ受給についてはすでにご紹介しましたが、こちらをご参照くださいね。

年金の繰り下げ手続きとは ? 取り消しもできる ?

 

70歳以上で厚生年金に加入できるケース

厚生年金の加入は70歳までとお伝えしましたが、実は70歳以上で厚生年金に加入できる特例があります。

 

それは、老齢の年金を受けられる加入期間が足りない場合です。

 

老齢基礎年金を受けるためには、10年間の加入期間が必要です。

 

老齢基礎年金を受ける条件

老齢基礎年金を受けるためには、保険料を納めた期間、保険料を免除された期間、合算対象期間(いわゆる「カラ期間」)を合わせて10年以上であることが必要となります。

出典 : 厚生労働省
年金を受けとるために必要な期間が10年になりました

カラ期間 : 海外に住んでいた期間や平成3年3月以前に学生だった期間など年金額の算定には反映されないが、資格期間に含むことができる期間

 

老齢の年金を受けられる加入期間が足りない人が、70歳を過ぎても会社に勤める場合は、条件を満たせば老齢の年金を受けられる加入期間を満たすまで任意に厚生年金保険に加入することができます。

 

これを高齢任意加入被保険者といいます。

 

申請するには「高齢任意加入被保険者資格取得申請書」を日本年金機構に提出しますが、事業主の同意を得ることが必要ですので、勤務先の健康保険担当者に依頼します。

 

事業主の同意を得る必要がある理由は年金保険料は事業主と折半なので事業主に負担が掛かるからです。

 

「高齢任意加入被保険者資格取得申請書」のダウンロードや詳細については日本年金機構のホームページをご参照ください。

 

出典 : 日本年金機構

70歳以上の方が厚生年金保険に加入(高齢任意加入)するとき

おわりに

いかがでしたか ?

 

70歳以上で働く人の社会保険がどうなるかについてご説明してきましたが、参考になりましたでしょうか ?

 

70歳を過ぎても働けるということは、やはり恵まれていると思います。

健康で元気に働けますように !

 

最後までお読みくださってありがとうございました。