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定年後の国民健康保険はいくら ? 賢い移行のしかたを解説

定年後の国民健康保険はいくら ?

定年後の国民健康保険はいくらになるか ?

とても気になりますよね。

 

初めの2年間は社会保険の任意継続をするとしても、そのあとは働かない限り国民健康保険に加入しなければなりません。

 

国民健康保険は高い ! という印象がありますが、実際にはいくらになるのでしょうか ?

 

会社員だったときに加入していた社会保険の任意継続ということも考えられますね。

 

ここでは、国民健康保険がいくらになるか、また社会保険の任意継続との兼ね合いも視野に入れて、切り替えのタイミングはいつが良いかについても具体的な例を挙げて解説したいと思います。

 

 

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定年後の国民健康保険はいくらになるのか

実際のところ、国民健康保険の計算方法は複雑でわかりにくいです。

 

理由は国民健康保険が次のように3つの要素から成り立っているからです。

 

国民健康保険=医療分+支援金分+介護分

 

医療分 : 医療給付に充てるもの
後期高齢者支援金分 : 後期高齢者の支援金等に充てるもの
介護分 : 介護給付に充てるも(40歳以上65歳未満の方のみ負担)

 

 

しかも、上のそれぞれが次の3つの要素で構成されている、つまり3×3=9つの要素でなりたっているため複雑なのです。

 

各分の保険料=所得割額+均等割額+平等割額

 

所得割額 : 世帯加入者の所得に応じて計算(所得額×料(税)率)
均等割  : 世帯加入者の人数に応じて計算(加入者数×均等割額)
平等割  : 一世帯あたりいくらと計算

 

 

そしてこれはあくまで一般的な例です。

 

国民健康保険料は都道府県・市区町村によって計算方法・額が定められているので、住んでいる地域によって税率などは変わってきます。

 

中には固定資産によって額か決まる「資産割額」を設けている都市もあります。

 

ここでは比較的分かりやすい札幌市を例にとって具体的に国民健康保険の額を見て行くこととします。

 

 

国民健康保険料の試算

 

①医療分②支援金分③介護分
所得割額(所得-33万円)×9.46%(所得-33万円)×3.09%(所得-33万円)×2.53%
均等割額17,750円×加入者数5,730円×加入者数5,330円×40歳以上64歳以下の加入者数
平等割額32,020円10,330円7,380円
合 計最高限度額 : 630,000円最高限度額 : 190,000円最高限度額 : 170,000円

世帯の所得割額は、各加入者ごとに計算し、小数点以下切捨てた所得割の合計額となります。

 

国民健康保険料のうち、「所得割額」現在の所得ではなく、前年度の所得で計算されます。

 

因みに所得と収入の関係は次のようになっています。

 

所得 = 収入-所得控除額

 

定年後の最初の年は、前年度つまりサラリーマン最後の年の所得が対象となります。

 

「所得額」は源泉徴収票のこの部分です。

「給与所得控除後の金額」

 

仮りに400万円だったとしましょう。

そして、本人は60歳で55歳の無職の妻と二人暮らしと仮定すると、国民健康保険料は次のようになります。

 

 

①医療分②支援金分③介護分
所得割額(400万円-33万円)
×9.46%=34万7,182円
(400万円-33万円)
×3.09%=11万3,403円
(400万円-33万円)
×2.53%=9万2,851円
均等割額17,750円×2=35,500円5,730円×2=11,460円5,330円×1=5,330円
平等割額32,020円10,330円7,380円
合 計41万4,682円13万5,193円10万5,561円

 

総合計は

国民健康保険料(年額)

=41万4,682円+13万5,193円+10万5,561円

=65万5,436円

 

1ヵ月当たりなんと、5万4,620円

 

確かに高いですよね。

 

ちなみに協会けんぽを任意継続した場合は、会社負担分も自分で払うことになりますから、単純にこれまでの2倍の保険料となります。

 

所得が400万円だったということは賞与も加味されているので一概には言えませんがここでは仮に標準報酬月額が41万円だったと仮定しましょう。

 

すると協会けんぽの健康保険料は、2020年度の札幌の例では月額で

健康保険料20,233円+介護保険料3,670円=23,903円

協会けんぽには扶養の概念がありますから、妻の分を別に支払う必要はありません。

 

先に試算した国民健康保険料と比べてみましょう。

 

国民健康保険料    : 54,620円
協会けんぽ健康保険料 : 23,903円

 

なんと任意継続するとおよそ半額で済むことになります。

 

 

ただし、定年後2年目は前年度の所得はたいていの場合大幅に減少します。

ご自分の年金定期便であらかじめ確認されておくと良いですよ。

 

場合によっては任意継続を続けるより国民健康保険に切り替えた方が安くなる可能性があります。

 

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社会保険の任意継続の注意点

社会保険の任意継続は「2年以内」です。

従来、任意継続は2年間と決まっていて、原則として途中で止めることはできず、その間に止めるには、保険料を納付期日までに納めないで強制的に脱退となる以外に手はありませんでした。

 

しかし、2022年1月1日施行の改正健康保険法により2022年4月1日以降は、2年以内でも本人の申し出によって止める(資格喪失する)ことができるようになりました。

 

任意継続したらじつは国民健康保険の方が安かったといった場合は、協会けんぽを脱退して国民健康保険に切り替えることができるということです。

 

切り替えを忘れると損

国民健康保険は資格取得日から14日以内に加入手続きをしなければ給付(自治体の7割負担)を受けられません。

 

そして、いつ手続きしても資格取得日は社会保険を脱退した翌日となり、その日が属する月から保険料が発生します。

 

保険料はさかのぼって請求されますし、その間全額負担した分の7割を国保に請求できないこともありますから要注意ですよ。

 

国民健康保険の加入手続には、社会保険の健康保険資格喪失証明書(任意継続保険の健康保険組合で出してもらいます)が必要となります。

 

 

おわりに

いかがでしたか ?

定年後の国民健康保険はいくらなのかの試算方法と損をしない移行のしかたについてお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか ?

 

できるだけ負担が少なくなるように切り替え時期はしっかり検討されると良いですよ。

 

最後までお読みくださって有難うございました。