休学のメリット、デメリットとは何でしょうか ?
就職で不利になるイメージがありますよね。
でも、必ずしも就職で不利になるわけではありません。休学の理由によるのです。
理由や目的がはっきりしていれば休学はむしろメリットともなるのです。
ここでは休学のメリット、デメリットを詳しく解説して、さらに見逃しがちな注意点について、また、休学に際しての心構えについても解説してゆきます。
なおこの記事は、筆者が採用にかかわった学生さん(当時)の体験談をもとにして書いています。
休学のメリットとは ?
大きな意味で言えば、大学ではできない経験ができるということと、社会人になったらできないことができるということです。
ただし、何となくぼんやりと休学していては損な経験はできません。
時間の無駄遣い、もっと言えば人生の無駄遣いにしかなりません。
では休学して何ができるでしょう?
次の2つです。
・休学して今しかできないことをする
・休学して今しておくべきことをする
そして、それらにはどんなメリットがあるでしょう ?
それぞれについて、具体的にどんなことをするのか、また、そのメリットをお伝えします。
今しかできないことをする
今しかできないことって一体何でしょう ?
それは時間をたっぷり使って、やりたいと思っていたことを実際にやってみることです。
例えば・・・
・日本を縦断して各地の風土やそこに暮らす人々との触れ合いを経験する
・行きたかった国を訪れてしばらく滞在する
・世界各国を訪れてその文化に触れる
・長期のインターンを経験する
メリット
休学して今しかできないことをすることで、次のようなメリットがあります。
・大学では出会えなかった人との出会いがある
・大学では得られない経験をすることができる
・国内や海外の風土・文化や暮らしに触れることで視野が広くなる
いずれも
大学では得られない学びがあり、成長できる
ということです。
今しておくべきことをする
次に、休学することで今しかできないことというよりも、今しておくべきことをしっかり時間をかけてすることができます。
それは、
自分が本当に進みたい道をじっくり検討する
ということです。
何となく大学を卒業して、就職。
でも、それが本当に自分が心から進みたい道だったのか・・・。
社会人になっていら「なんとなく違うな・・・」とか、「この仕事にはどうしても喜びを感じられない」など、悩んで会社を辞めてしまう人がいます。
せっかく就職したのに勿体ない、というよりも辛いですよね。
休学してでも自分の進路をしっかり見定めておく方が、社会人になってから後悔しないで生きてゆくことができます。
メリット
後悔しない人生を歩むことができる
この一言に尽きます。
これからの長い人生を、自分が本当にやりたいことをじっくり考えずに目先の就職を追って何となく生きてゆくのか、それとも休学してでもやりたいことを見つけて後悔せずに生きてゆくのか ?
わずか1年であっても長い人生を考えれば中身の濃い時間となることでしょう。
休学のデメリットとは ?
それでは次に休学のデメリットを確認しておきましょう。
次の4つです。
・就職で不利になる可能性がある
・社会人になるのが遅れる
・友人より学年が下になるので出遅れ感がある
・目的のない休学は人生の無駄遣いになる可能性がある
ひとつずつ解説しますね。
就職で不利になる可能性がある
休学した事実だけで留年と同等のをとらえ方をされてしまうことがあります。
その場合は当然就職に不利になります。
また、目的のはっきりしない休学も採用担当者に敬遠されます。
ただし、休学に明確な目的や理由があれば必ずしも就職に不利にはなりません。
だいたい、休学したことで採用担当者の印象に残ります。
そしてはっきりした目的意識をもって休学した場合はその決断力や行動力はプラスに評価されるのです。
詳しくは、こちらをご参照ください。
休学は就職に不利か ? 面接官の視点を採用例で解説 !
社会人になるのが遅れる
社会人になるのが遅れることは確かです。
でも、社会人になる前にしかできないことをやるために敢て休学したのであれば、1年くらいで遅れたからと言って長い人生に悪い影響はないと割り切ることができます。
ただし、注意すべきことは、厚生年金の加入が休学した分遅れるということです。
将来もらう年金に少しですが影響が出ます。
サラリーマンが将来もらえる年金は、次のようになります。
年金額=国民年金+厚生年金
これから社会人になろうとする人の厚生年金受給額は
平均標準報酬額(※)×0.005481×加入月数
で求められますから、仮に給料の月額が22万円とすると会社勤めが1年遅れると
220,000円×0.005481×12ヵ月=14,478円(年額)
これだけ年金額が少なくなるのです。
年間1万円台なら大した差ではありませんね。
※ここでは簡便に平均標準報酬額=月額給与としましたが、本来は給料の等級である標準報酬月額の厚生年金加入中の合計を加入月数で割った平均値を使います。
着目すべき点は、厚生年金は給料が高いほど保険料が高くなりますが、その分将来もらえる年金額が増えるということです。
ですから、社会人になってからたくさん稼いで厚生年金保険料をたくさん払えば休学で加入が遅れた分は十分挽回可能なので、あまり心配する必要はないのです。
友人より学年が下になり出遅れ感がある
友人より学年が下になるので出遅れ感は否めないかもしれませんね。
学年が違ってしまうことで、同級生との関係が薄くなることも事実です。
でも、逆に先に進んだ友人からゼミや就活の情報を得られるというメリットにもなります。
目的のない休学は人生の無駄遣いになる
もし目的なしに、なんとなく休学してしまったなら、それこそ人生の無駄遣いでねこれが最大のデメリットと言えます。
就職に不利になるのもこのケースです。
「何となく」の休学だけは避けたいですね。
休学の注意点~奨学金と学費
では次に、休学の際の注意点を確認しておきましょう。
休学するときに見落としがちなち注意点は次の2つです。
・休学中は奨学金をもらえるか ?
・休学中学費を払う必要があるか ?
順にご説明しますね。
休学中は奨学金をもらえるか ?
じつは、
休学中は奨学金をもらうことはできない
のです。
学校の奨学金担当窓口に「休止の異動願(届)」を提出する必要があります。
これをせずに休学中に奨学金を受け取ってしまうと、後で返金を求められることになりますので要注意です。
なお、休止期間は最長2年間(※)です。
2年以内に復学の見込みがない場合は奨学金を「辞退」することになります。
※大学院奨学金で特に日本学生支援機構が認めたときは3年
詳しくはこちらを参照ください。
出典 : 独立行政法人日本学生支援機構
各種変更等の届出・願出
・休学中は奨学金をもらえない
・休止期間は最長2年間
・2年を過ぎれば奨学金「辞退」となる
休学中は学費を払う必要があるか ?
じつは大学によって扱いが異なっています。
大まかに言うと次のようになりますが、在籍中の大学に確認する必要があります。
国立大学 : 基本的に休学中の学費は全額免除
私立大学 : 一部免除 または 在学費のみ支払うなど、大学による
また、休学届の書き方や必要書類(例えば病気が理由の場合は診断書の添付)なども大学の教務課などに確認しておく必要がありますよ。
休学に際しての心構え
休学に際しての心構えは2つあります。
・ハラをくくること
・親に頼らないこと
です。
順にご説明します。
ハラをくくれ
休学に際しての心構えとして是非ともお伝えしたいことのひとつ目は
休学するならハラをくくれ !
ということです。
計画を立てずに、行き当たりばったり休学してしまうと、なにも得られないかも知れないというリスクがあることを覚えておいてください。
そして、成長がなければ無駄に休学したことになるのす。
休学によって成長したなら、人生上のメリットといえるでしょう。
就職にもプラスに作用することは間違いありません。
ですから、くれぐれもしっかり計画を立てた上で休学することをお勧めします。
休学中もお金がかかる
休学中も当然ですが、生活費はかかります。
学費や奨学金については既に述べた通りです。
休学の目的が給料をもらってのインターンならお金の心配はないかも知れません。
しかし、お金のかかること、特に日本国中や海外を訪問しようとするなら、半端なお金ではできません。
やりたいこと、やるべきことをやるためには休学中はバイトにかなり真剣に取り組んで計画を練らないとヘタをすれば生活費を稼ぐだけで終わってしまい、やろうと思っていたことがほとんどできなかった。
ということになり兼ねません。
休学の目的に応じて、お金の工面をしっかり計画する必要があります。
繰り返しますが、「休学するならハラをくくれ !」ですよ。
親に頼るな
休学して就職が遅れるということは、親に心配をかけることになります。
子供が社会人として独立して、初めて親は責任を果たしたことになるからです。
親としては早く就職して欲しいのです。
ですから、最低でも休学中の生活費は親に頼るべきではありません。
自分で稼ぎましょう。
おわりに
いかがでしたか ?
休学しようか迷っていて決断できかねている方に参考にしていただければという思いから休学のメリット、デメリットについて書かせて頂きました。
注意事項と心構えについても参考になればうれしく思います。
最後までお読みくださって有難うございました。