高卒で就職するにはメリットとデメリットがあります。
高卒での就職は、大卒に比べて内定率が高いのに3ヵ月以内の離職率も高い。
その理由はメリットとデメリットを知らずに就職してしまうからです。
せっかく就職するのなら、就職先に満足できて幸せな社会人生活を送りたいものですよね。
ここでは幸せな社会人生活を送るために、高卒で就職するメリットとデメリットについて解説してゆきます。
はじめに、注意を要するデメリットからお伝えしますね。
なお、本記事は高卒の中でも新卒で就職を考えている人を対象として書いています。
高卒で就職するデメリットは3つ
高卒で就職するデメリットは3つあります。
・じっくり将来を考える時間がない
・職種や応募先が制限される
・大卒に比べて給料が低く出世しにくい
順にご説明してゆきます。
じっくり将来を考える時間がない
最も大きなデメリットとしてあげられるのが
自分の進むべき方向や将来についてじっくり考える時間がない
ということです。
大卒で就職するなら、就活を始める前に少なくとも3年間は考えることができます。
一方、高卒で就職する場合はその時間がない。
充分に職業や就職したい会社について考える猶予がないまま就職先を決めなければなりません。
そのため、ミスマッチが生じやすいのです。
高卒での就職を念頭においたら、どんな仕事に就きたいかを考え、その仕事は学校に募集がくる会社でできるのかを調べておきましょう。
会社の募集要項には大した情報は記載されていません。
でも今はネットの時代です。
スマホでネットにアクセスして、受けようと思う会社の情報をでできる限り調べて、自分の望む仕事に就けそうか確認することを怠ってはいません。
職種や応募先が制限される
職種によっては年齢制限や、大卒以上の学歴が条件となっているものがあります。
たとえば、医師・薬剤師は6年制の大学を卒業しなければ受験資格がありませんし、弁護士や裁判官なども法科大学院修了または法科大学院予備試験合格で受験資格が得られません。
そういう特殊な仕事は別としても、大企業の総合職なども高卒には門が閉ざされていることが多いですし、そもそも高卒を募集しない企業も多くあります。
実質的に学校に募集がきた企業にしか応募できないので選択肢が狭くなります。
大卒で就職する場合は一人何社でも応募できますが、高卒はたいてい
・1社しか応募できない
・内定辞退できない
のが実情です。
なぜか ?
これは法律で制限されているわけではなく、昭和の時代からの「慣例」なのです。
学校としては毎年特定の企業に一定数の学生を採用して欲しい。
もしも「内定辞退」されると次の年から募集が来なくなってしまう恐れがある。
そのため1社に絞って推薦し、「内定をもらったら辞退してはいけない」と指導するのです。
憲法で「職業の自由」が保障されているのに学校が制限をかけているのです。
その代わり高卒は学校から推薦されたらほぼ合格します。
自分が望む企業に推薦してもらえたら「ラッキー」ということなんです。
大卒に比べて給料が低いし出世しにくいできない ?
日本はまだまだ学歴社会であり年功序列的なところがあります。
生涯収入は大卒の方が高いという統計があります。
でも、大卒はやはり知識の面で高卒を上回りますから、大卒に比べて給料か低いのは仕方がないところです。
年が上の方が給料が高いのも専門知識や経験が増えることを考慮した仕組みと言えます。
多くの会社では大卒の方が高卒よりも昇進が早いでしょう。
でも、高卒のたたき上げで課長、部長と昇進してゆく人がいることも事実です。
社会人になって数年経てば学歴は関係なくなくなります。学歴より実力が重視されるのです。
ですから、一概に高卒は出世しにくいとは言えないということです。
給料だってスタートラインに差があるのは仕方がありませんが、仕事の実力が付けば確実に上がってゆきますよ。
高卒で就職するメリットは4つ
先に高卒で就職するデメリットを確認しておいたのは、就職するにあたってはそれなりの「覚悟」が必要だからです。
デメリットを認識して「覚悟」ができれば、後はメリットばかりです。
次の4つがあげられます。
・内定率が高い
・早くから稼げる
・プロとしての成長が早い
・将来余裕で年金を満額もらえる可能性が高い
内定率が高い
高卒で就職する場合はほとんどが学校推薦で決まります。
企業から高校に対して推薦枠が提示され、その枠内であれば余程成績が悪いとか態度が悪くない限り就職試験に合格することが多い。
ただし、金融機関などは人気が高く、倍率が高いので試験でおとされる可能性があります。
大卒に比べて、高卒の就活は短期間でたいてい1社か2社受けて内定がもらえます。
就活は、大卒に比べて圧倒的に「楽」なのです。
早くから稼げる
10代から稼げると言うことは大きなメリットです。
お金の大切さを実感することができますし、自分が自由に使えるお金があると言うことは世界が広がったように感じることでしょう。
ただ、無計画に使うことはいけません。
若いうちから「貯金」をする習慣をつけておきましょう。
同じ年の大卒が入社したころにはそこそこ貯金を溜めておけます。
若いうちに貯金を持つと言うことは心に「余裕」ができて、生活態度も落ち着いたものとなります。
プロとしての成長が早い
高卒で入社した人は、若い分吸収が早く、教え甲斐があると言われます。
しっかり教えられるので、プロとしての成長が早いのです。
早く社会人になった分、人間的にも早く成長します。
長年人事を担当してきた私の私見ですが、同じ年の大卒の新入社員より、社会人として4年の経験がある高卒の方が断然「大人」です。
異性から見ても同じ年なら高卒の方が頼りになるし魅力的に思われる可能性大ですよ。
将来余裕で年金を満額もらえる可能性が高い
ここでひとつ、年金について少しうれしいお話をしておきましょう。
国民年金(老齢基礎年金)は、保険料納付期間が10年以上あって、満65歳になれば受給資格ができます。
しかし、満額受け取るためには480月、つまり40年間にわたり国民年金保険料を納付する必要があります。
途中、国民年金保険料の免除や猶予、未納期間等があると満額にはなりません。
高卒で就職すると大卒に比べて4年間早く保険料の納付がはじまります。
なので、万一途中で失業その他の理由で払えない時期があったとしても60歳までに480ヵ月納付することができる可能性が極めて高くなります。
つまり、65歳では国年年金を満額もらえる可能性が高いいうことです。
ちょっとした安心材料ですよね。
公的年金は、「国民年金」と「厚生年金」の2階建てになっています。
厚生年金は会社勤めをすれば加入することになっていて、厚生年金保険料を払うと同時に国民年金保険料も払っていることになります。
国民年金は20歳以上60歳未満の人は全員加入することとなっていますが、高卒で就職した場合は20歳未満でも厚生年金と国民年金に加入することになります。
おわりに
いかがでしたか ?
高卒で就職するメリットとデメリットについてお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか ?
高卒は一見「不利」なように見えますが、じつはメリットもあることがお分かり頂けたと思います。
社会人として真面目に仕事に取り組んで収入を得てゆけば、長い人生を不自由なく豊かな暮らしを営んでゆくことができるのです。
そうしたら高卒で就職したことをきっと誇りに思えるでしょう。
最後までお読みくださってありがとうございました。