育児休業給付金をもらって、その後退職したら失業給付をもらうことはできるのか ?
何だか二重取りみたいでできそうにない気がしますが・・・。
でも、
育児休業給付金をもらって退職しても失業給付金をもらうことはできるんです !
ただし、注意点があります。
ここでは育児休業給付金をもらって退職したとき失業給付を受けられる条件と、注意点について解説してゆきます。
育児休業給付金とは
初めにそもそも育児休業給付金とはどんなものか確認しておきましょう。
育児休業で収入が途絶えた、或いはダウンした人を助けるための雇用保険の制度です。
ちなみに育児休業の取得は「育児・介護休業法」に基づくものですが、育児休業給付金は雇用保険法に基づくものなのです。
育児休業を簡単にまとめるとこうなります。
育児休業は産休が終わった翌日から取得することができる。
Z期間は10カ月間
産前産後の休暇と合わせると休業期間は13.2ヵ月となります。
ちなみに産前産後休業は労働基準法で産前は出産予定日前6週間、産後は出産から8週間と定められています。
男性も育児休業を取得することができますが、開始日は子供が生まれた日からとなります。
育児休業給付金の取得条件
条件は次の6つすべてを満たしていることです。
①1歳未満の子供がいる
②雇用保険に加入している
③育休前の2年間で、11日以上働いた月が12ヶ月以上ある
④育児休業期間中に会社から賃金をもらう場合、その額が休業前の8割未満であること
⑤育児休業期間中に就業する場合、1ヵ月ごとの就業日数が10日を超えないこと
⑥育児休業後に職場復帰すること
気になるのは「育児休業後に職場復帰すること」です。
その点についてもう少し詳しくご説明しましょう。
育児休業後に退職したら育児休業給付金を返還するのか ?
じつは育児休業給付金は職場復帰を前提としているので、取得条件のひとつとてし職場復帰があげられます。
でも、育児休業給付金を申請した時は職場復帰するつもりだったけど、子育てをやってみると思いのほか手がかかるし、もっとそばにいてあげたい、と考えが変わることだってあります。
或いは育児をしやすい環境の会社に転職したいと考えることもあるでしょう。
そのまま退職したら、今までもらった育児休業給付金は返還しないと「詐欺」になってしまうのでしょうか?
いいえ、もらった育児休業給付金は、返す必要はありませんからご安心下さい。
ただし、退職日の属する「支給単位期間」以降はもらうことができません。
育児休業を開始してから1ヶ月ごとに区切った期間のこと。
育児休業給付金をもらって退職しても失業給付を受けるには
当然ですが、失業給付を受ける条件をみてたして満たしていることが必要です。
育休後の退職は、自己都合退職となりますから、
離職日以前の1年間に、被保険者期間が通算して6ヵ月以上あること
さらに、
働ける状態であること
が必要です。
ただし、育児休業給付金をもらった場合は注意が必要です。
詳しくご説明しましょう
育児休業給付金をもらって退職すると算定基礎期間が差し引かれる
育児休業給付金を受けた期間については、失業手当の所定給付日数を決める際の算定基礎期間、つまり雇用保険加入期間から除くことになっているということです。
例えば、失業給付金の受給期間は、
1年以上10年未満なら90日
10年以上20年未満で120日
20年以上なら150日
ですが、
10年間働いて雇用保険を収めてきても、育児休業給付金を10ヵ月もらうと、雇用保険加入期間から10ヵ月差し引かれるのです。
そのため10年が9年と2ヵ月になってしまい、失業保険の受給期間は120日ではなく、90日になってしまうということです。
職場復帰ではなく転職が必要な理由が必要
本来職場復帰を前提とした育児休業給付金をもらったのに退職したわけですから、転職しなけれは瀬ならない理由をハローワークに説明する必要有ります。
例えば
・前職では残業が多く子育てとの両立が難しいで残業が少ない仕事に転職したい
・保育園への送り迎えのために時間のシフトができる職場、また便利なエリアで働きたい
等は転職の理由として認められるでしょう。
さらに、育児のための離職は自己都合ですが、保育所の利用等のために通勤が困難になって離職した場合は「正当な理由のある自己都合」として、2ヵ月の給付制限期間なしで7日間の待機期間の後すぐに失業給付金をもらえることになります。
いくらもらえるか ?
育児休業のあとで退職したら、失業給付金はいくらもらえるでしょう ?
失業給付金は、通常なら失業前6ヵ月間の基本給と手当の合計を1日あたりの額に換算した「賃金日額」をベースとして計算されます。
そうなると、育児休業中の育児休業給付金は育児休業に入る前の67%、6ヵ月経過したら50%になっていますから、失業給付金の計算では不利になりそうですね。
でも、ご安心ください。
育児休業のあとで退職した場合、「賃金日額」は「育児休業に入る直前6ヵ月間の給料」で計算されることになっていますので、失業給付金の支給額が大幅に減るということはありません。
失業給付をもらうデメリットは
雇用保険の加入期間がリセットされます。
次に失業給付金や育児休業手当をもらえるまでは、そこから1年以上の雇用期間を要します。
失業給付金をもらうデメリットについてはこちらもご参照ください。
おわりに
いかがでしたか ?
育児休業給付金をもらって退職しても失業給付が受けられるか、また、退職したら育児休業給付金を返還しなければならないかについて、さらに、失業給付を受けるときの注意点についてお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか ?
育児は体力的にも精神的にも大変です。
せめて経済面では可能なかぎり制度を活用して少しでも楽になりますように !
最後までお読みくださってありがとうございました。