ハローワークの求人で年齢不問というのは嘘か ?
はい。
残念ながら年齢不問はタテマエであることが多いです。
高年齢者雇用安定法では、募集及び採用の際は「65歳を下回る年齢制限を設ける場合には理由を示さなければならない」(第二十条)とされているため、実質的に年齢制限をつけにくいのです。
実際には企業側に年齢制限があって、高年齢者の応募があった場合は、年齢以外の理由を付けて断ると会社が多いと言います。
では、年齢の高い人がハローワークの求人に応募するのは「無駄」なのでしょうか ?
いいえ。かならずしも無駄ではありません。
年齢の高い人がハローワークでチャンスをつかむにはポイントがあります。
・求職者マイページを開設して求職情報の公開する
・年齢を強調しない
・応募先の募集職種に合わせて職歴・スキルに強弱をつける
ここでは、年齢の高い人がハローワークの求人を利用するメリットと応募のコツについてお伝えしたいと思います。
ハローワークへの求人・企業側の本音
求人は、ネットで探す時代です。
有名な就職サポート会社がいろいろあって、どこもネットで求人広告を掲載しています。
そして、その多くは若者をターゲットとしています。
企業が求める人材は、やはり若い人が圧倒的に多いのでしかたがありません。
そんなこともあって、ハローワークは、若い方たちにはあまりなじみがないかも知れませんね。
でも、実際に、ハローワークには多くの求人情報が寄せられています。
そして、年齢不問の求人の中には、「たてまえ」ではなく、本当に年齢不問の企業もあるのです。
私は50歳のほんの少し手前でハローワークを通して就職に成功しました。
企業側から見たメリット
なぜ、就職サポート会社がたくさんある中で、企業はハローワークに求人広告を出すのでしょうか ?
理由は、もちろんメリットがあるからです。
どんなメリットか ?
・無料で募集できる
・最小限の手間で求人できる
無料で求人できるのは中小企業にとっては有難いことなので、ハローワークは利用しやすいのです。
営利目的の就職サポート会社に求人広告を依頼すると、けっこうな費用がかかります。
そして、もうひとつ。
求人広告の内容について打ち合わせに時間を取られます。
これも採用担当者にとって負担になります。
それに対して、ハローワークは申込み用紙に必要事項を記載するだけ。
ハローワークの年齢不問が嘘でもチャンスあり
ハローワークの年齢不問が嘘でもチャンスをつかむための使い方を次の3つに分けてご説明しますね。
・求職者登録
・チャンスをつかむコツ
・ハローワークで見れる企業情報
求職者登録をする
ハローワークを使うには、まず求職者登録をしなければいけません。
じつは、ハローワークに求職登録していなくてもインターネットで求人情報の検索はできるのですが、登録しないとフルデータが見れないのです。
「ハローワークの求職者に限定して事業所名等を含む求人情報を提供する」としている企業については企業名等を見ることができません。
出典 :
ハローワーク
よくあるご質問(仕事をお探しの方)
求職者登録をするには、ハローワークに出向いて行いますが、書類記入の手間を減らすために、次の手順を踏むと良いです。
①インターネットで求職者マイページを開設して求職者情報の仮登録をする
②ハローワークに出向いて本登録をする
求職者情報の仮登録では氏名、連絡先、希望する仕事などを入力します。
本登録の際、仮登録時に表示された「仮登録番号」が必要ですので、メモしてハローワークに持参します。
求職登録の有効期間は、原則として、求職申込みを行った日の属する月の翌々月末までです。
有効期間の終了月にハローワークで職業相談や職業紹介を受けた場合や、求人への直接応募(オンライン自主応募)を行った場合、1か月単位で有効期間が延長されます。
出典 :
ハローワークインターネットサービス
求職者マイページでできること(仕事をお探しの方へ)
より転記
チャンスをつかむコツ
ハローワークの求職登録でチャンスをつかむにはちょっとしたコツがあります。
求職情報の公開を希望する
ことです。
それによってハローワークインターネットサービスやハローワークから、登録者の情報が企業に提供されるので、経験・能力をアピールすることができます。
その結果として、求職者マイページを通じ求人者からの直接リクエストを受けることが可能になるのです。
・経歴、専門知識、資格や希望条件などを求人企業にPRできる
・思いもしなかった企業からアプローチを受けるチャンスが広がる
出典 :
ハローワーク
求職情報公開のご案内
・希望する仕事
・希望勤務地
・学歴
・免許・資格
の各欄が必ず公開される
その他の欄は公開の可否は自分で選択可
出典 : 同上
求職情報の公開は、求職者マイページを開設しないとできないのです。
ハローワークはこちらから企業を探すだけでなく、求職情報を公開することで企業からも自分を発見してもらえるチャンスが生じるということです。
見れる企業情報
ハローワークの検索で見れるのは次の情報です。
・就業場所/職種/採用人数
・年齢
・賃金/雇用形態
・就業時間
・事業所名/求人番号
・所在地
・必要な免許・資格等
求職者からみれば、ハローワークの求人情報は必要最小限で、会社の雰囲気が全く分かりません。
なので、気になる会社があればその会社のホームページを見ることはもちろんですが、企業年鑑などでできるだけ多くの情報を入手する必要があります。
その上で、書類選考が通って面接に進むことができたら自分の目で会社の雰囲気を確かめましょう。
年齢の高い人が書類選考を通るアピール方法
ハローワークの求人で年齢不問と記載されていても、実際には年齢が高い人は書類選考で落とされることが多いです。
年齢が高くても書類選考で落とされないようにするにはどうしたら良いかお伝えしましょう。
年齢を強調しない
しばしば、
「自分は○○歳ですが、まだまだ頑張れます。」
と自己アピールされる応募書類を受け取ることが有ります。
でも、これはかえって採用担当者に「自分は高齢です」ということをアピールしていることになります。
年齢は履歴書を見れば分かります。
ことさら高齢を強調しない方が良いです。
応募先に合わせたスキルをアピールする
むしろ、自分のもっているスキルをアピールすることに注力してください。
高齢の方は様々な業務を経験した方が多いです。
ともすると、技術もやり、営業もやって、その後は人事をやってきた(これ、私です)
人もいたりします。
往々にして、そのすべての業務を詳細に書こうとする人が多いです。
でも、応募しようとしている会社はどの職種で募集していますか?
ポイントは
応募先の募集職種に合わせて職歴・スキルに強弱をつけること
です。
営業職を募集している会社に技術職のスキルや人事担当の経験を詳しく書いても職務経歴書が長くなるだけで、採用担当者は「面倒だな」と感じてしまいます。
募集している職種では自分はどんなことを経験して、何ができるかをアピールします。
でも、他の職種については「軽く」列記する程度にとどめておくのです。
そうすることで、必然的に募集職種でのあなたのスキルに目が行きます。
そして、年齢には触れない。
そうすることで、採用担当者は「少し年齢は高いけど、会ってみる価値はありそうだな。」
と考えてくれる確率が高くなります。
あとは、前職の退職理由に気を付ける。
この点についてはこちらに詳しく解説していますので、あわせてお読み頂ければ幸いです。
おわりに
いかがでしたか ?
高齢者がハローワークの求人を利用するメリットと応募書類の書き方についてお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか ?
ハローワークでチャンスをつかむポイントをもう一度まとめておきますね。
・求職者マイページを開設して求職情報の公開する
・年齢を強調しない
・応募先の募集職種に合わせて職歴・スキルに強弱をつける
ハローワークには「チャンス」が有ります。
どうかあきらめないで就活に活かしてみてください。
最後までお読みくださってありがとうございました。