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退職金は確定申告が不要 ! ただし例外ケースもある。

この記事を読むのに必要な時間は約 13 分です。

退職金は確定申告が不要 !?

退職金をもらっても確定申告は不要なのか ?

と悩む人多いのではないでしょうか ?

通常の収入と違うので確定申告が必要なのでは、と思いがちですが、結論を言えば退職金は確定申告の必要はありません。

ただ、例外的に確定申告が必要、と言うよりした方が「お得」なケースがあります。

 

ここでは退職金は確定申告が不要な理由、さらに確定申告した方が良いケースについて解説してゆきます。

ちなみに退職金の確定申告については、国税庁のホームページでも次のように記載されているように通常は確定申告は不要なのです。

退職金と税

「退職金は、勤務先に所定の手続をしておけば、源泉徴収で課税関係が終了しますので、原則として確定申告をする必要はありません。 退職金は、通常、その支払を受けるときに所得税及び復興特別所得税や住民税が源泉徴収又は特別徴収されます。(中略) なお、退職所得についても源泉徴収票が交付されます。」

出典 : 国税庁
退職金と税

 

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退職金は確定申告が不要な理由

退職金(退職所得)は確定申告が不要である理由は、それが「分離課税」の対象だからです。

 

所得税の課税方法には「総合課税」と「分離課税」の2つの方法があります。

 

通常の給与所得は総合課税の対象ですので、毎月概算で課税しておいて、12月末で締めて1年間の税金の過不足を調整するために確定申告をします。

 

ただ、会社に勤めていれば会社が「年末調整」してくれるので、これが確定申告の代わりになって、自分でする必要はありません。

 

それに対して退職金(退職所得)は「分離課税」されますから、他の所得と合算されずに、退職金の源泉徴収で完結しているのです。

 

ですから、退職金は原則として確定申告の対象にはならないのです。

 

 

 

退職金は「分離課税」であり、それだけで所得税は完結しているので確定申告は不要と述べましたが、例外がありますのでご説明しましょう。

 

退職金で確定申告が必要となるケースは ?

では、退職金をもらって確定申告が必要となる例外的なケースとはどんな場合でしょうか ?

それは、退職金に課税された人で、次の2つのケースに該当する場合です。

 

・退職金以外の所得で「赤字」がある場合
・所得控除が余っている場合

 

ただし、これらが活用できるのは、退職金が多くて所得税が引かれている場合だけです。

 

退職金が非課税となった場合は当てはまりませんよ。

 

なお、正確には「必要」と言うより、「した方が得」ということです。

 

順にご説明しますね。

 

退職金以外の所得で「赤字」がある場合

例えば株式を売却して損をしたとか、土地や建物などの不動産の貸付けから得る不動産所得などで赤字になった場合は退職金と「損益通算」をすることができます。

 

損益通算とは、赤字の所得を他の黒字所得と相殺して税額を安くする制度です。

 

所得控除が余っている場合

「所得控除が余っている」とはどういう状態をいうのでしょう ?

 

税金を計算する際に、「基礎控除」というものがあります。

これは納税者の総所得金額から一律で差し引くことができる控除のひとつです。

 

基礎控除は、納税者本人の合計所得金額に応じてそれぞれ次のとおりとなります。

給与所得が2,400万円以下なら48万円の基礎控除があります。

 

納税者本人の合計所得金額控除額
2,400万円以下48万円
2,400万円超2,450万円以下32万円
2,450万円超2,500万円以下16万円
2,500万円超0円

出典 :

国税庁ホームページ
No.1199 基礎控除

 

 

そのほかにも所得控除には医療費控除をはじめ、基礎控除と併せて15種類あります。

表にまとめておきますね。

 

No.控除の種類控除条件控除額
1雑損控除災害や盗難、横領によって損害を受けた一定の方法で計算した額
2医療費控除医療費が10万円超最大 200万円
3社会保険料控除健康保険料、介護保険料、国民年金基金掛金、厚生年金保険料などを支払った支払った保険料の合計額
4小規模企業共済等掛金控除掛金を支払った支払った掛金の合計額
5生命保険料控除生命保険や介護医療保険、 個人年金保険の支払った一定の方法で計算した額
6地震保険料控除地震保険料を支払った一定の方法で計算した額
(最大5万円)
7寄附金控除ふるさと納税や認定NPO法人等に対して寄付をした寄附金支出合計額と
所得×40%のいずれか
少ない方-2,000円
8障害者控除納税者や控除対象配偶者、扶養親族が障害者である一人につき、
・障害者27万円
・特別障害者40万円
・同居特別障害者75万円
9寡婦控除配偶者と死別または離婚して扶養家族がいる27万円
10ひとり親控除納税者がひとり親である35万円
11勤労学生控除学生で働いている
(前年の所得が75万円以下)
27万円
12配偶者控除配偶者の所得が48万円以下・一般控除対象配偶者 : 最大38万円
・老人控除対象配偶者 : 最大48万円(70歳以上)
13配偶者特別控除納税者の所得が1,000万円以下で、配偶者の所得が48万円以上133万円未満配偶者の所得金額によって決まる
最大38万円
14扶養控除16歳以上の子供や両親などを扶養している・一般の控除対象扶養親族 : 38万円
・得定扶養親族 : 63万円
(19歳以上23歳未満)
・老人扶養親族 : 最大58万円
15基礎控除所得が2,500万円以下48万円(所得が2,400万円以下の場合)

 

これらの控除で該当するものがあって、控除を合計したら給与所得を上回っている場合は給与所得に課税されないだけでなく、

使い切れていない控除を退職所得の控除に回すことができる

のです。

 

例えば

その年の給与所得が少なかった場合

です。

 

次のケースなどが該当します。

・その年の早いうちに退職して、その後再就職までに時間がかかった場合
・病気などで休職した後に退職した場合

 

これらのケースは給与所得が少ないですから、上記控除額の合計が所得を上回る可能性があります。

 

[具体例]

配偶者控除と二人分の扶養控除を受けられる人がその年の給与所得が50万円しかなかった場合を見てみましょう。

 

次の3つの控除だけでも給与所得を上回ります。

・基礎控除48万円
・配偶者控除 38万円
・扶養控除 38万円/人×2人=76万円

 

給与所得50万円-(基礎控除48万円+配偶者控除 38万円+扶養控除76万円)
=50万円-162万円
=△112万円

 

これが使い切れなかった控除、つまり余った控除です。

 

退職金に課税する前に、この余った控除を退職金から差しくことができるということです。

 

従って、こういう場合は確定申告をした方が「得」ということになります。

 

所得控除が余らなくても確定申告した方が良い場合

なお、所得控除が余らなくても、退職前の給与が前年度に比べて少なかった場合は、給与所得に対する所得税が多く計算されている可能性があります。

 

理由は、所得税は今年の給与所得が前年度の給与所得と同額であると見込んで徴収されているからです。

 

この場合は確定申告によって給与所得に課税された税金も戻ってくることになります。

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退職所得の受給に関する申告書を提出していないとき

退職金が出た場合は、退職の際会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出する必要があります。

 

これがないと退職所得としての税制上の優遇措置が受けられません。

 

まともに所得税を控除されています。

 

税率は20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)ですから、仮に退職金が500万円だとすれば、

500万円 x 20.4%=102.1万円

も税金を引かれていることになりますから、大きいです。

 

確定申告で戻してもらいましょう。

 

 

年の途中で退職したときは確定申告が必要

もう一つ、退職で確定申告が必要なケースがあります。

 

それは年の途中で退職して再就職していないときです。

 

これは退職金をもらうもらわないにかかわらず必要となります。

 

理由は、もう会社に年末調整をしてもらえないからです。

 

年末に在職していれば会社が年末調整をしてくれます。

でも、年の途中で退職して年末に在職していなければ当然ですが年末調整はしてもらえません。

 

年末調整は確定申告を会社が代わりにしてくれていることになるので、それが受けられなければ自分で確定申告をするしかないということです。

 

ここで注意点をひとつ。

 

確定申告の時に失業保険を所得として参入するかどうかです。

答えは「失業保険は確定申告には含めない」です。

 

理由は、失業保険には所得税がかからないからです。

同様に傷病手当金も所得税がかかりませんから、確定申告には含めませんよ。

 

おわりに

いかがでしたか ?

退職金をもらったとき、確定申告はたいていの場合する必要がないこと、例外的に確定申告をした方が良いケースについてお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか ?

 

退職金は生涯で受け取れるまとまったお金として大事なものですから、損のないようにしたいですね。

 

最後までお読みくださってありがとうございました。