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派遣会社の乗り換えは可能か ? 手順と注意点を詳しく解説

派遣会社の乗り換えしたいけど、できるかしら・・・。

「派遣会社の乗り換えをしたいけど、そんなことできるんでしょうか ?」

 

派遣社員からそう聞かれました。

 

派遣会社の担当者の対応が悪く、態度も横柄で派遣会社の選択を誤ったと感じているとのことでした。

 

派遣社員の受け入れを担当している私としては、仕事を良くこなして社内の評判も良い人に辞めてほしくありません。

 

そこで派遣会社の乗り換えについて真剣に考えてみました。

 

ここでは、派遣会社の乗り換えは可能か、また注意点についても解説してゆきます。

 

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派遣会社の乗り換えは可能か ?

はじめに結論を言います。

 

派遣会社の乗り換えは可能です。

 

ただし、簡単ではありません。

法律の縛りがあります。

 

派遣先から指名してもらえるか ?

新しい派遣先に登録または就職して、派遣先から指名してもらえれば間違いないですよね。

ところがそれはNGなんです。

 

派遣労働法で「派遣先は派遣労働者の特定をしてはならない」と決められているからです。

 

労働者派遣法第26条7項

労働者派遣(紹介予定派遣を除く。)の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。

 

「派遣労働者を特定することを目的とする行為」

とは、

 

・事前面接
・履歴書等の提出要請
・若年者に限ること
・性別を限定すること

 

などを指しますが、「指名」はその最たるものとして当然禁止されます。

 

そんなわけで、私も派遣社員から「派遣会社の乗り換えをしたい」と言われたときに、

「派遣会社を替えたらあなたを指名してあげるよ。」とは言えなかったのです。

 

仮に派遣先が「指名」したとしても、派遣元がそれに応じることはもちろんできません。

 

それでは派遣会社を乗り換えるにはどうしたら良いのか ?

具体的にその手順をお伝えしましょう。

 

派遣会社を乗り換える方法

派遣会社を乗り換えるには手順があります。

 

①現在の派遣先に派遣元が変わっても継続して働かせてもらえるか確認する
②新たな派遣会社への登録
③新たな派遣元に事情を話して現在の派遣先に紹介してもらうよう了解を得る
④常用型の派遣であれば現在の派遣元を辞めてから雇用契約を締結

 

この手順をうまくこなしておかないと、たとえ派遣会社を乗り換えたとしても、後からトラブルになり兼ねません。

 

問題は現在の派遣元。

 

表面上は最後まで良い関係を維持したまま辞めることです。

無理やり辞めて新たな派遣元から現在の派遣先に就業すると派遣会社同士の訴訟にまで発展しかねません。

 

元の派遣会社は収益の元である派遣社員を失うわけですから、それがライバル会社に社員と顧客を取られたとなると面白くないのは当然のことです。

 

ここで、派遣会社を乗り換えるときの注意点についてお伝えしておきましょう。

 

派遣会社を乗り換えるときの注意点

派遣会社を乗り換えるときの注意点は次の4つです。

・現在の派遣元との雇用契約・就業規則
・現在の派遣元と派遣先の契約
・乗り換えのタイミング
・有給や勤続年数のリセット

 

もちろん新たな派遣元の待遇は重要です。

 

収入や福利厚生面が低下しないように選ぶする必要がありますが、ここはご自分でしっかり確認するでしょうからここではこれ以上は触れません。

 

 

順にご説明しますね。

 

現在の派遣元との雇用契約・就業規則

現在の派遣元との雇用契約・就業規則を確認しておいてください。

派遣会社によっては

 

「契約満了後、○○ヵ月は、他の派遣会社との契約で、同じ派遣先企業で働いてはならない」

 

と言ったようなことが書かれている場合があります。

 

もちろん、職業の自由は日本国憲法で保障されていますから、どこの会社に雇用されても文句を言われる筋合いではありません。

 

しかしながら元の派遣元が新しい派遣元や派遣先にクレームをつけて迷惑がかかってしう可能性があります。

 

上のような条項があっても法的に損害賠償を請求されることはまずないと言っていいでしょう。

しかしながら新しい派遣元や派遣先との関係が悪くなりかねませんので、要注意なのです。

 

 

現在の派遣元と派遣先の契約

上と同様に、現在の派遣元と派遣先の契約で、

「派遣契約満了後に他の派遣会社の契約で同一人物を受け入れてはならない」

とする条項があれば、元の派遣会社にバレたときに派遣先に迷惑が掛かります。

 

派遣先に相談するときに派遣元との契約書に同業他社経由で同一人物を就労させてはならない旨の条項がないか聞いておくとよいですよ。

 

「ご迷惑をお掛けしないために、お手数ですがご確認をお願い致します。」

 

と言って確認してもらいましょう。

 

元の派遣会社が派遣先を訴えた時に、たとえ派遣先が勝ったとしても、あなた自身と派遣先の信頼関係が悪くなっては困りますよね。

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派遣会社の乗り換えるタイミングは

現在の派遣契約の期間満了に合わせます。

 

満了時の更新の話の際に切り出すのではなく、余裕を持って1ヵ月前くらいには現在の派遣元に次の更新はしない旨を伝えておきましょう。

 

派遣会社との契約書や就業規則で辞める場合の決まりを確認してください。

 

契約期間の途中は辞めにくいので要注意

 

です。

 

こちらをご参照ください。

派遣は途中で辞めることはできない !? 損害賠償を請求される ?

 

 

有給休暇の積み重ねがゼロに

有給休暇は勤続期間で決まります。

ざっくり言うと、6ヵ月勤務で10日間、その後毎年1日ずつ付与日数が増えてゆきます。

 

これは会社が替わるとリセットされます。

新たな派遣元では雇用されてから6ヵ月経過しないと有給休暇をもらえません。

 

無期雇用となるための雇用期間もリセット

有期雇用の場合、5年間同一の会社に雇用された場合、「無期転換」と言って無期雇用をしなければならないことが無有働契約法で定められています。

 

派遣会社を乗り換えることで、勤続年数がリセットされてしまいます。

無期雇用への道のりがゼロから再スタートとなることを覚悟しなければなりません。

 

ただ、派遣会社によっては早くから無期雇用として「3年ルール」に対応しているところもありますから、新たな派遣元を探すときの目安の一つとしてチェックしておくとよいでしょう。

 

なお、「3年ルール」についてはこちらをご参照ください。

派遣社員の3年ルールと無期転換~注意点を徹底解説

 

 

おわりに

いかがでしたか ?

 

派遣会社の乗り換えは可能か、さらに乗り換えの方法と注意点について解説してきましたが、参考になりましたでしょうか ?

 

有給休暇や雇用期間がリセットされてしまうと言うデメリットもありますが、今の派遣元とどうしても合わないと感じているのなら、派遣会社の乗り換えは連投の価値があります。

 

ただ、トラブルにならないよう、ここでお伝えした手順に注意して慎重に進めてくださいね。

 

最後までお読みくださってありがとうございました。