スポンサーリンク

派遣は有給が消滅することがある !? 空白と会社変更に注意

派遣は有給休暇が消滅することがあるって本当かしら・・・?

派遣社員だってちゃんと有給休暇がもらえます。

労働者の権利ですから。

 

ただ、消滅することがあるので要注意です。

 

もちろん、有給休暇がもらうにも、消滅するにも条件があります。

 

ここでは、派遣で有給が消滅するのはどんなときか、また繰り越しができる条件について解説してゆきます。

 

 

では、有給休暇をもらえる条件から見てゆきましょう。

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

有給休暇をもらえる条件とは

有給休暇の支給は、すべての労働者に共通する条件と、派遣の場合の特有の条件の2つがあります。

 

順にご説明しますね。

 

基本的な条件

有給休暇は次の2つの条件を両方とも満たせば支給されます。

 

有給休暇の支給条件

・6ヵ月以上継続して勤務していること
・所定労働日数の8割以上勤務していること

 

 

この条件は派遣社員にもアルバイトやパートにも当てはまります(労働基準法第39条)。

 

ここで、所定労働日数とは、就業規則や労働契約で定められている労働日数を言います。

つまり、労働者が働くべき日数のことです。

 

所定労働日数とは

年間の所定労働日数は365日から年間の休日を引いた日数となります。

年間休日が121日なら年間所定労働日数は365日-121日=244日

月の所定労働日数は244日÷12 = 20.3日

端数の処理は会社の就業規則で定められますが、たいていは切り捨てて整数とします。

 

上の例では、6ヵ月間の所定労働日数は、

20日×6=120日

そして、その8割以上は

120日×0.8=96日

となります。

 

つまり、6ヵ月間雇用が継続して、96日働けば有給休暇をもらえることになります。

 

 

では、何日もらえるか。

 

 

有給休暇付与日数

有給休暇付与日数は、継続した勤続年数によって決まります。

 

次の表の通りです。

 

表1一般の社員の場合

継続勤務年数6ヵ月1.5年2.5年3.5年4.5年5.5年6.5年以上
付与日数10日11日12日14日16日18日20日

 

表2 週の所定労働日数が4日以下で所定労働時間が30時間未満の場合

週の所定労働日数1年間の所定労働日数継続勤務年数
6ヵ月1.5年2.5年3.5年4.5年5.5年6.5年以上
4日169~216日78910121315
3日121~168日566891011
2日73~120日3445667
1日48~72日1222333

出展 :
厚生労働省 年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています

を参考に掲載

 

パートやアルバイトのほとんどの場合は表2が適用されることになります。

 

派遣の場合はたいていカレンダー通りに週5日間の勤務となるでしょうから、表1が適用されます。

 

ここまでは有給休暇付与の一般的な話です。

 

では、いよいよ有給休暇に関する派遣特有の話を致します。

 

スポンサーリンク

 

派遣は有給が消滅することがある

派遣といっても登録型派遣と常用型派遣の2つがありますが、ここでは登録型の派遣を前提としてお話ししています。

 

派遣の種類

[登録型派遣]

・派遣会社に登録して、派遣先が決定したときだけ派遣会社と雇用契約を結ぶ形態。
・雇用は不安定だが、好きな仕事だけを選べる。

[常用型派遣]

・派遣会社の正社員または契約社員として雇用される形態。
・派遣先が見つからない期間も派遣会社から給料が支払われる。
・生活は安定するが、好きな仕事だけを選ぶという自由度はない。

 

 

派遣特有の勤務形態とは、一つの派遣が終わってから、次の派遣が決まるまでに間が空くことがあるということです。

 

それによって有給休暇にどんな影響があるかというと

 

勤務状態の継続が途切れる

ということです。

 

勤務状態の継続が途切れると次の2つの不利なことが起こります。

 

継続が途切れることによる不利益

①継続勤務が6ヵ月に達せず有給休暇がもらえない
②残っていた有給休暇がリセットされる(つまり消滅する)

 

あと少し勤務すれば6ヵ月に達して有給休暇をもらえるところだったのに・・・。

ということが起こります。

 

また、既に6ヵ月以上働いて有給休暇を10日もらっていたとしても、雇用契約が途切れることで、せっかくもらった有給休暇が消滅してしまいます。

 

では、派遣契約が終わって次の1週間くらいで派遣先での勤務が始まったらどうでしょう。

 

この場合は勤務状態が継続しているとして扱われます。

 

派遣先が変わっても、派遣会社が変わらないかぎり、勤務期間は累積されますし、取得した有給休暇の日数は繰り越されます。

 

では、「継続」となるか「リセット」されるかの派遣の空白期間の境目は ?

 

じつは、派遣会社によって定められています。

 

えっ、これって、法律では決まってないの ???

 

と思いますよね。

 

法律で定められているのは継続期間であって派遣の空白期間について、有給休暇をどう扱うべきかは定められていません。

 

大手の派遣会社ではこの期間を1ヵ月と定めています。

 

つまり、一つの派遣契約が終了して1ヵ月以内に次の派遣契約を結べば雇用期間は「継続」しているとしろ、1ヵ月と1日間が空けば雇用期間は「リセット」されてしまいます。

 

これが派遣で有給が消滅することがあるということです。

 

 

派遣期間終了後に有給休暇を使えるか

では、有給休暇を消化する前に派遣期間が満了したら、残った有給休暇を使うことはできないものでしょうか?

 

消滅する前に権利として使いたいと思いますよね。

 

残念ながら、

 

契約期間満了後に残った有給休暇を使うことはできません。

 

有給休暇は、就業すべき時に就業せずに給料をもらう制度ですから、雇用契約中しか使えないのです。

 

 

おわりに

いかがでしたか ?

派遣の場合、有給休暇をもらう条件、派遣特有の有給休暇が消滅する場合についてお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか ?

 

上手に勤務して有給休暇の権利を獲得できると良いですね。

 

最後までお読みくださって有難うございました。