今の会社を辞めて転職したい !
理由はさまざまあることと思います。
ただ、転職する以上は、ぜひとも成功させてください。
転職回数が多いと、次第に再就職が難しくなってしまいます。
理由は、
「採用してもすぐ辞めるのではないか ?」とか
「ちょっとしたことでも我慢のできない人ではないか ?」
など、応募先の人事担当者にマイナスのイメージを持たれやすくなるからです。
履歴書を見ただけで落とされてしまって、面接に進むことができないケースが多くなります。
では既に転職回数が多い場合はどうしたら良いでしょう ?
履歴書の書き方にコツがあります。
転職を繰り返さずに済むように、今度の転職をしっかり「成功」させるためのコツを採用担当者の視点から伝授しましょう !
採用担当者の視点で履歴書を見ると、退職理由が気になります。
事業規模縮小などの「会社都合」なら問題ありません。
でも「一身上の都合」と書いていて、かつ転職回数が多ければ「本人に何か問題がある」と見られて書類選考で落とされやすいのです。
転職回数の多い人の書類選考通過のポイントは、
初めから履歴書に退職理由を書いておく
ことです。
ここでは、私自身の転職の経験と採用担当者としての視点から、転職に成功するための履歴書の書き方をお伝えしたいと思います。
なお、転職回数が多い人の面接対策についてはこちらをご参照ください。
転職の回数が多い人の履歴書の書き方
履歴書は、「学歴」と「職歴」に分けて書きます。
とくに転職では「どんな会社」で「何をやってきたか」が最重要事項となります。
このうち、「何をやってきたか」は別に「職務経歴書」に記載しますから、「履歴書」ではいつからいつまでどの会社に勤務したかを記載します。
例えば
平成28年4月 株式会社○○入社
平成31年3月 同退社
と書いて、業務内容は履歴書には書きません。
職務経歴書に書きます。
職務経歴書の書き方についてはこちらをご参照ください。
退職理由を書く
会社都合の場合は
「事業縮小のため同退社」
とか
「事業所廃止のため」
とか、ありのままを書いて構いません。
この場合は、あなたのせいではありませんから。
一方、自己都合退職の場合はたいてい
「一身上の都合により同退社」
と書きますよね。
でも、これだと採用担当者は「『一身上の都合』って何だろう ?」と思います。
そこで、次のように書くと良いです。
「キャリアアップを図るため同退社」
「○○にチャレンジするため同退社」
履歴書としては文字が多くなってしまいますが、退職の理由がはっきりして、且つ前向きだと採用担当者は安心します。
退職理由記載の見本
ここで履歴書の見本を載せておきますね。
例えばこんな人を想定した履歴書です。
①社会人となりA社で営業職として勤務したがUターンのため退社
②2社のB社でも営業職として勤めたが、どうしても技術者になりたくて、退して専門学校に入る
③卒業してC社に入社したがその後事業縮小して事業所が廃止となったため退職
④その後入社したD社では仕事内容に飽き足らず、キャリアアップのため現在求職中
年 | 月 | 職 歴 |
2xx1年 | 4月 | 株式会社A入社 |
2xx6年 | 3月 | 同 退社(Uターンのため) |
2xx6年 | 4月 | 株式会社B入社 |
2xx8年 | 3月 | 同 退社(専門学校入学のため) |
2xy1年 | 4月 | 株式会社C入社 |
2xy3年 | 9月 | 同 退社(事業所廃止のため) |
2xy3年 | 12月 | 株式会社D入社(現職) |
以上 |
こうしてそれぞれの退職理由を簡単に記載しておくと、採用担当者は退職理由に納得して面接のチャンスが与えられる可能性が高くなります。
もしもすべて「一身上の都合により退職」が続いていたら、単なる「長続きしない人」と見られて、面接に進めないことになりかねません。
職場がイヤで辞めた場合
もしも、前の会社がイヤで辞めた場合でも、上の例のように前向きの理由を記載することをおすすめします。
その方が採用担当者の印象は絶対良いです。
そして、辞めた会社を批判するようなことは書いてはいけません。
もちろん、面接でも前職の批判はNGです。
採用担当者はこう思います。
「この人を採用してもし辞めたら、きっと他の会社を受けたときに当社の批判をするだろう。」
「そう言う人は採用しないでおこう。」
ただし、ひどいパワハラに遭って、前向きの退職理由が思いつかない場合は「一身上の都合」と書いておきます。
その場合は面接に進んだときに
「一身上の都合とありますが、差支えなけれは具体的にどんな理由か教えて頂けますか ?」
と聞かれます。
その時は素直に
「じつは、パワハラに遭いまして・・・。自分を守るために退職致しました。」
と言って構いません。
転職回数が多い人も履歴書に全部書かないといけないのか?
ここで、転職回数の多い人がやりたくなることに触れておきます。
転職が10回とか、かなり多くなると、つい途中を省略したくなりますよね。
入社したものの「この会社はダメだ」とすぐに見切りをつけてわずか3ヵ月で退職してしまった場合などは、あまり書きたくないものです。
転職回数が多い人の履歴書の書き方として次の2つの方法があります。
- 一部を省略する
- 1社ごとに1行で入社と退職をまとめる
そして一部を省略する場合でも直前は省略しないことです。
ご説明しましょう。
直前の職は省略しない
前職は書かなくてはいけません。
理由は
年末調整のために源泉徴収票を提出する必要がある
からです。
今回の転職より数回前の会社なら2~3ヵ月程度であれば、ブランクについて聞かれても「求職中でした」で済ませることができます。
でも、省略することで半年以上空く場合はその間何をしていたか聞かれますし、長いブランクは不自然ですから、省略せずに書いた方が良いです。
ではどんな時に省略できるのか、転職回数が多いときの履歴書の省略の仕方を例をあげてご説明しましておきますね。
省略の見本
直前の会社を含めて直近の勤めを最低3~5社程度は記載します。
それ以前の職歴は、どんな仕事をしてきたのかが分か程度にまとめて記載して良いです。
例えばこんなふうに(青文字が要約部分)。
年 | 月 | 職 歴 |
2xx6年 | 4月 | 株式会社B入社 |
2xx8年 | 3月 | 同 退社(専門学校入学のため) |
2xy1年 | 4月 | 株式会社C入社 |
2xy3年 | 9月 | 同 退社(事業所廃止のため) |
2xy3年 | 12月 | 株式会社D入社(現職) |
大学卒業から2xx6年以前はIT業界4社にてソフトウェア開 | ||
発に従事(詳細は職務経歴書に記載) | ||
以上 |
なお、職務経歴書の書き方には次の2つの形式があります。
- 時系列式 : 時系列の順(直近を最初に書いて順に遡る)に書く
- キャリア式 : 業務内容や職種ごとにまとめて書く
転職回数が多い場合は「キャリア式」の方がすっきりまとめられて見やすいですよ。
サンプルは、こちらをご参照ください。
入退社を一行で書く
転職回数が多くて書ききれないときの方法として
職歴は1社ごとに1行で入社と退職をまとめる
というのもありです。
このように書きます。
年 | 月 | 職 歴 |
20xx年 | 4月 | 株式会社A入社(20xx年xx月Uターンのため退職) |
転職の履歴を省略しても転職先に分かる ?
よく言われるのは、社会保険(健康保険、年金)のデータから過去の勤務先が分かるので履歴書ではすべて省略しないで書くべきだというのがあります。
でも、特別なことがない限り履歴書で省略した勤務先までは転職先に知られることはありません。
特別な場合とは、次の2つのケースです。
- 雇用保険被保険者証を無くしたとき
- 年金手帳を無くしたとき
雇用保険被保険者証を無くして雇用保険被保険者番号が分からないと、転職先で雇用保険取得手続きをするときの書類に直近2年の職歴を書かなければなりません。
なので、たとえどんなに在職期間が短くても2年以内に辞めた会社を省力することはできないのです。
年金手帳を無くしてしまって基礎年金番号が分からなくなった時は再交付をしてもらわなくてはなりません。
その場合は転職先の会社経由で行うことになります。
再交付の手続きには、一番初めに社会保険に加入した会社名とその住所、および直前に社会保険に加入していた会社名とその住所が必要になりますので、そのいずれが2~3ヵ月で辞めたとしても履歴書で省略することはできません。
あと、転職先にはマイナンバーを届けるので、マイナンバーから過去の勤務先データが分かると言う説もありますが、転職先がマイナンバーから職歴を知ることはできません。
マイナンバーぱ厳格に管理されていて、適法な行政手続きを経なければ行政機関などから職歴を引き出すことはできないからです。
また、年金事務所も健康保険事務所も、たとえ転職先から問い合わせがあったとしても、基礎年金番号や保険証書の番号から本人の職歴などを教えることはありません。
個人情報ですから、もし漏らしたら「個人情報保護法」に抵触して罰せられるからです。
転職が回数が多いと受からない ? 強みにできる!
転職回数が多いと冒頭述べた通り
「採用してもすぐ辞めるのではないか ?」
「ちょっとしたことでも我慢のできない人ではないか ?」
などと、応募先の人事担当者にマイナスのイメージ抱かれがちと考えられます。
でも、転職が回数が多いことを逆に強みにしてしまうことだってできるのです。
ここでは転職回数の多さが強みとなる理由を示しておきます。
- 経験豊富である
- 様々な環境に順応してきた
- 思ったことを実行に移せる行動力がある
- チャレンジ精神が旺盛だ
転職回答が多いと、当然ですが様々な経験を踏んでいます。
職場に耐えられなくて辞めたのではなくも行く先々の職場に順応してこれた。
さらに転職しようと考えたときそれを実際に行動に移せる行動力がある。
そういう見方もできるということです。
転職理由は必ず聞かれます。
そのとき、プラスの理由で積極的に転職したことを告げれば転職の多さは「強み」に代わってしまう。
ですから、どうぞ胸を張って面接に臨んでくださいね。
おわりに
いかがでしたか ?
転職回数の多い人の履歴書の書き方についてお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか ?
最後にまとめておきますね。
①履歴書には退職理由を記載する
②すぐに退職した会社でも、省略できないのは次の3つのケース
・直前の会社
・雇用保険被保険者証を無くしたときは2年以内に辞めた会社
・年金手帳を無くしたときは最初の会社と直前の会社
無事に転職を果たして、しあわせな職業人生活を過ごせますように !
最後までお読みくださってありがとうございました。