面接では、たいていアルバイトについて聞かれます。
私も、面接官として必ずアルバイトの経験を聞きます。
なぜでしょうか ?
それは、アルバイトの経験はプラスの判断材料だから。
アルバイトはお金を稼ぐことの大事さ、難しさに触れるチャンスです。
また、相手があることなので、自分勝手が通らないことを肌で感じられる貴重な経験を積むチャンスでもあります。
ここでは、面接でアルバイトの経験を聞かれたらどう答えたら良いかについて、面接官の立場からお伝えします。
また、アルバイトの経験がない場合の答え方についてもあわせてお伝えしますね。
面接でアルバイトの経験を聞かれる理由
面接でアルバイトの経験を聞かれる理由についてもう少し触れておきましょう。
面接官は次のことを知りたいのです。
- 気質~適性
- 継続力が有るか
- 学ぶ姿勢・力があるか
適正があるか
アルバイトにもいろいろあります。
どんなアルバイトを経験してきたか、なぜそのアルバイトを選んだかを聞くことで、その学生の気質を知ることができるので、適性を知る手がかりとなります。
例えばコンビニのレジや飲食店でのアルバイトなら、少なくとも初めての人と接することに抵抗がない人物と思われるでしょう。
工場のラインで働いていたとか製品のパッキングをしていた人は黙々と集中するのが得意と思われるでしょう。
継続力が有るか
ひとつのアルバイトを長くやってきたなら、持続力があると見られます。
短期のアルバイトを繰り返して来た慈愛は、それぞれのアルバイトを行った時期に間があれば問題ありません。お金が必要な時だけアルバイトをしたとみられるからです。
でも、辞めてすぐ次のアルバイトをやっている場合は、長続きしない性格と見られてしまいます。
学ぶ姿勢・力があるか
アルバイトの経験で最も大事なのは、「そこから何を学んだか」です。
アルバイトの経験から学んだことを言えれば、面接官は学ぶ力のある人物と見ます。
面接でアルバイトの経験の答え方は ?
面接でアルバイトの経験を聞かれたときに答えることは大きく次の4つがあげられます。
- アルバイトから学んだこと
- 苦労したこと
- 嬉しかったこと
- アルバイトの目的
ひとつずつ見てゆきましょう。
学んだことを話す
どんなアルバイトでも、そこから何かを学ぶことができるはずです。
面接でのアルバイト経験に関する回答として是非加えておくことをおすすめします。
例えば次のようなことが挙げられます。
- チームワークが大事だということ
- 相談することで問題解決につながること
- 時には交渉が大事だということ(社員の方に提案したことで業務が良い方向に変わった)
- 冷静な判断が必要であること
これらはアルバイトの内容にかかわらず使えますよ。
アルバイトの経験から学んだことを説明した後で、
「学んだことを仕事に活かしていきたいと考えています。」
とつなげると良いでしょう。
ただし、作り事はいけません。
あくまでも経験したこと、自分で感じたことを述べてください。
面接官は「ウソ」を見抜くことに長けていますから・・・。
苦労したことを話す
そうです。
失敗や苦労したことを思い出して下さい。
先輩に教えてもらったり、自分で何とか工夫して解決したことを答えると良いです。
そして、
「そこから自分はこんなことを学びました。」とか、
「こういうことを得ることができました。」
とつなげられれば、それがベスト !
例えばコンビニのアルバイトならこんなふうに。
「そのお店ではしばしば入庫品に過不足が出ることがあったで、チェックにミスが出ないように○○を工夫をしました。」とか、
「交代のときの申し送りの内容に抜けがでないよう□□に工夫をしました。」
など工夫したことを伝えると良いでしょう。
さらに、
「その経験で、どんなことでも真剣に考えれば改善できることを学びました。」
という感じでつなげると良いのですが、ひとつ注意点を・・・。
答えを暗記して、ここぞとばかりにスラスラ言うと、いかにも面接用に予め準備した答えであることがバレバレです。
準備は大事ですが、文章を暗記して話すといかにもマニュアル通りに答えている感が否めません。
ここは、あくまでも実体験に基づいたことを少し間を取りながら、考えつつ答えるようにすると良いですよ。
上の例を、実際の言い方で書き直してみますね。
「私はコンビニでアルバイトをしていたんですが・・・、」
「じつは、そのお店ではしばしば入庫品に過不足が出てしまって、店長さんが配送センターに電話したり、なんだか大変そうでした。」
「それで、なんとかできないかなと思いまして、入庫品のチェックにミスが出ないように○○を△△にして工夫してみました。」
「そのことで、店長さんに喜んでもらえたので、人の役に立つって嬉しい ! と感じました。」
「そしてこの経験で、真剣に考えればたいていのことは解決できるんじゃないか・・・と言う自信を得ることができたので、良かったと思っています。」
と言う感じです。
あ、今の話は私が面接した学生さんが、実際に話してくれたエピソードです。
その学生さんはその後入社して、元気に働いてくれています。
嬉しかったことを話す
上の例にもあったように、苦労したことだけでなく、嬉しかったことも伝えられれば面接官としては非常に好印象を受けます。
嬉しかった経験は、自己肯定につながるからです。
自己肯定のできる人は、心が安定していて、職場で他の人とトラブルを起こすことはほとんどありません。
アルバイトの目的を話す
あと、アルバイトの目的にも面接官は感心を寄せます。
趣味や旅行のためにアルバイトをするのはもちろんOKです。
でも、学資を捻出するためや生活のためにアルバイトをした学生さんは、評価が高くなりますよ。
それは、親に頼らずに学生生活を送ってきたことで、自立心があると見られるから。
いつの時代でも、「苦学生」は真面目で根性があると見られるのです。
ただ、
「私は親に頼らず、アルバイトをしながら学生生活を送ってきました !」
と誇らしげに言わずに、あくまで謙虚に話してくださいね。
その方が好印象ですよ。
「アルバイトの目的ですか ? 学資を稼ぐためです。」
と淡々とした口調で話すのが良いでしよう。
アルバイトの経験が「ない」ときは ?
ここまで、アルバイトの経験について聞かれたときの答え方についてお伝えしてきました。
でも、中には「アルバイトの経験ないんだけど・・・。」という方もいらっしゃると思います。
アルバイトの経験がないときは、どう答えたら良いでしょう ?
素直に
「じつは、アルバイトは経験したことがありません。」
と答えて下さい。
友人に聞いたアルバイトのことを自分のこととして話すのはNGですよ !
自分の経験でなければ突っ込んで質問されたらもう答えられません。
すぐにバレてしまいます。
自分を良く見せようと「ウソ」をつくと思いっきり評価を下げます。
というより即、不合格ですよ。
アルバイトの経験は、けっして採用の必須条件ではありません。
だから心配しなくとも大丈夫。
アルバイトの経験なくても、ほかにアピールできることがあるはずですから。
そもそも面接では、アルバイトの経験は「加点」の対象ですが、経験が無いからと言って「減点」されることはありません。
あと、アルバイトはたとえ1ヵ月でも、数日間の短期でも経験があるならそのことを語ると良いです。
たとえ短い期間でも、働いてお金を頂くという経験をしたわけですから、何か得たものや感じたことがあると思います。
そのことを思い出して答えを準備しておいてください。
おわりに
面接でアルバイトの経験を聞かれたときの答え方について、また、アルバイトの経験がない場合の答え方についてお伝えしましたが、参考になりましたでしょうか ?
最後に、面接での答え方のポイントをまとめておきますね。
・アルバイトでの失敗や苦労したこと
・どうやってそれを克服したか
・うれしかったことは何か
・苦労したことやうれしかったことから何を得たかあるいは学んだか
・アルバイトの経験がないときは「ありません」と答える
余談ですが・・・。
私は学生の頃、物流倉庫の荷物の積み下ろしのアルバイトをしていました。
常時ではなく、食えなくなったときだけ短期で働かせてもらっていたのです。
そこで失敗がありました。
積んでいたビールのカートンを倒してしまったのです。
瓶が割れて倉庫中にビールの香りが漂って、肉体労働をして空腹状態の私は「早く帰ってビールが飲みたい!」と思いました。
採用試験の面接のとき、そのエピソードを話して面接官に笑われてしまいました。
けっして「ウケ」を狙ったわけではないのですが・・・。
あ、結果ですか ?
はい。運よく合格でしたよ。
あなたの面接が上手くいきますように !
最後までお読みくださってありがとうございました。