ニートでも税金払えないでは済まされないことがあります。
「収入がないからも税金も保険料も払わなくていい」わけではないのです。
前年度に収入があれば住民税を払わなくてはいけませんし、国民健康保険料と国民年金も払う必要があります。
収入がないのにどうしたらいいのか ?
ここではニートで税金を払えない人はどうしたらいいのか、年金や保険料はどうしたら良いのかについて対処の仕方を解説してゆきます。
ニートでも払うべきもの
働いていなければ当然所得税はかかりません。
でも、働いていないニートでも払うべきものはいくつかあります。
次の3つです。
・住民税
・健康保険料
・年金保険料
それでは順に見てゆきましょう。
ニートも住民税を払う
住民税は次のように構成されています。
住民税 = 「所得割額」+ 「均等割額」
「所得割額」とは前年度の所得に応じて課税されるもので、所得の10%です。
従ってニートになる前の年に働いていて一定以上の所得があれば課税されますが、初めからニートなら課税されません。
「均等割額」は所得に関係なく一律で課税されるものです。
市区町村によって異なりますが、概ね年間で5,000円くらいです(2021年9月現在)。
もしもニートになる前の年に働いていたとしても、
前年度の所得が35万円いかなら住民税は一切かかりません。
「所得割額」も「均等割額」も請求されないのです。
所得が35万円ということはどういう意味かと言うと、
給与控除と言って65万円を収入から差し引いた額が課税対象となるので、
給料が35万円+65万円=100万円までは住民税はかからない
ということです。
収入 : 給料や賞与の合計
所得 : 収入-給与所得控除
ニートで税金払えない~住民税なら
住民税が払えない場合は督促状が来る前に、市区町村の役場(市税課など)に相談してください。
6月に「住民税決定通知書」が届きます。
その額を見て「これは払うのムリ」と思ったら早めに市税課などに相談です。
申請によって「減免」または「猶予」してもらえる可能性があるからです。
減免が認められるのは原則として災害や盗難などに遭った場合ですが、市区町村の市税課などのホームページでは、それ以外でも認められることがあるとされています。
また、同居している親など生活を一にしている親族が病気やケガをしたなどの場合は1年以内の「猶予」が認められることかがあります。
ニートになった理由がやむを得ない事情であれば、「減免」または「猶予」を認めてもらえる可能性がありますから払えない時はまず市税課などに相談することです。
このとき、所得証明や通帳の提示を求められることがありますから、あらかじめ持参すべきものを市税課などに電話で確認しておくと良いです。
督促状が来ても知らん顔を決め込んでいると最終的には預貯金、生命保険解約返戻金などの財産の差し押さえが執行されてしまいますから、放っておいてはいけませんよ。
ニートも国民健康保険料を払う
ニートでも払わなければならないものの2つ目は「国民健康保険料」です。
ニートになる前に働いていたら協会けんぽなどの任意継続の方が安くなります。
しかし協会けんぽの任意継続には「減免」制度はありません。
一方、国民健康保険には、「軽減」と「減免」の措置が用意されています。
軽減は、世帯の収入によって健康保険料を安くするもの。
減免は特別な事情がある場合に国民健康保険料を割り引くというものです。
詳しくはこちらにまとめましたのでご参照ください。
裏技の「世帯分離」の方法も解説していますよ。
国民健康保険を払わないとどうなる
国民健康保険を払わない、つまり「滞納」すると先ずは保険証の期間が短くなり、その後「保険証」ではなくなり「資格証明書」に切り替えられて医療費は10割負担となります。
さらに滞納が続けば財産が差し押さえられてしまいます。
滞納の期間によって段階的に扱いが変わりますので、表にしておきますね。
滞納期間 | 国民健康保険の措置 |
1年未満 | 「保険証」が有効期間が6カ月などの「短期保険証」に切り替えられる |
1年以上 | 「短期保険証」が「資格証明書」に切り替えられて、窓口の医療費が10割負担になる |
1年6ヵ月以上 | 特別療養費や高額療養費の支払いも全部または一部停止されて全額自己負担になり、健康保険の恩恵は全く無くなる |
それでも滞納が続くと | 財産の差し押さえが執行される |
ニートは国民年金の免除を申請しよう
ニートでも払わなくてはならない3つ目は「国民年金保険料」です。
国民年金がもっとも融通が利きます。
国民年金は申請することによって「猶予」または「免除」を受けることができるからです。
「猶予」の場合は後で払わなくてはいけません。
「免除」の場合は払わなくてもOKです。
「免除」されずに保険料の支払いをしないと将来国民年金せをもらうことができなくなってしまいます。
「免除」が認められれば65歳になってから最低限の老齢基礎年金をを受けることが可能となります。
「免除」してもらうと受ける年金額が減ります。
でも免除の場合も後で「追納」することができますから、今が苦しい場合は「免除」を申請して働けるようになったら「追納」することをおすすめします。
こちらに詳しくまとめましたのでご参照ください。
ニートは年金をどうしたらいい ? 就職しなかった時のために。
おわりに
いかがでしたか ?
ニートでも住民税という税金以外にも健康保険料や国民年金保険料といった、払わなくてはいけないものがあること、また、払えない時のそれぞれについての対処法もお伝えしてきました。
住民税や国民健康保険料は滞納すると最悪財産の「差し押さえ」という事態になってしまいますから、放ってはおけません。
また、国民年金は将来年金を受け取るためにも最低でも「免除」の手続きはしておかなければいけません。
最後にニートから脱却したい方のために2つの記事をご紹介しておきます。
ニートは就活支援を活用しよう ! 就職経験がなくても大丈夫。
最後までお読みくださってありがとうございました。