「上司と意見が食い違ったらどうします ?」 面接でしばしば聞かれる質問です。
これは公務員試験でも出されますし、新卒採用だけでなく、中途採用の面接でも聞かれることがあります。
特に中途の場合はさらに突っ込んだ問いかけがなされることがあるので、準備が欠かせません。
ここでは、「上司と意見が食い違ったらどうします ?」 と面接で聞かれたときの答え方を新卒と中途採用の両方のケースについて面接官の視点で解説してゆきます。
上司と意見が食い違ったらどうします ? と面接で聞く意図
上司と意見が食い違ったらどうします ? と面接で聞くのは、次の3つを見るためです。
・謙虚に学ぶ姿勢を持っているか ?
・主体性を持っているか ?
・柔軟性のあるコミュニケーションがとれるか ?
つまり面接官は、応募者が
主体的に自分の意見を持つことができるが
相手の言うことにも素直に耳を傾けて
組織の中で無用の衝突を起こさない人物か
ということを見ているのです。
上司と意見が食い違ったらどうします ? と面接で聞かれた時の答え方
では次に、新卒の面接、中途採用の面接2つのケースそれぞれについて答え方を見てゆきましょう。
新卒の場合
新卒の場合は初めのうちはイエスマンに徹するしかありません。
これから仕事を覚えるのですから、入社1年目から上司と意見が食い違うことはあり得ません。
言うことを聞かない部下は、上司にとっては仕事を回らなくする迷惑な存在なのです。
ですから、新卒の面接で聞かれたら、こう答えれば良いです。
「上司には仕事を教えて頂くので、そもそも意見が食い違うことは経験を積むまではないと思います。」
「何年かして仕事を任せて頂けるようになってからでしたらもしかしたらあるかも知れません。」
「その時は、先ずは上司の意見に耳を傾けます。」
「その上で納得できない部分があれば『自分はこう考えるのですがいかがでしょうか ?』と聞きます。」
「それで納得できなくても、最終的には上司の意見に従います。自分より確実に経験も知識も豊富なのですから、上司の言う通りやってみるのが基本だと思います。」
これは、公務員試験の場合も同じです。
民間の会社も縦割りですが、公務員は特に縦割りの性格が強い職場です。
極端な言い方ですが、上司に逆らうと生きていけません。
イエスマンでなければいられないのです。
そういう社会でも単なるイエスマンではなく、しっかり仕事を考える人物であることを上の回答例のようにアピールすることが望ましいですよ。
中途採用の場合
中途採用の場合は上司と意見が食い違った場合の対処を答えるとさらにこんなことを聞かれることがあります。
「実際に経験されたことはありますか ?」
中途なら、そこそこ業務の経験もあり自分なりの仕事のやり方、考えをもっていた当然ですし、また、そうでなくては頼りになりません。
すると当然上司と意見が食い違うことだってあります。
そこは素直にどう対処したかを話せばよいです。
初めから上司と理想的な関係を作れる人はそうはいませんから失敗談もOKですよ。
理想の答え
理想的な答え方は新卒の場合と同様に、
まずは上司の意見を聞き、
自分の意見と食い違いがあれば自分の意見を述べて上司に確認をとる。
そして最終的には上司に従う。
です。
だたし、中途の場合は新卒とは少し言い方が変わります。
社会人としての見識を盛り込んでおきましょう。
「先ず上司の意見を良く聞いて理解に努めます。」
「その上でどうしても納得できない部分があれば、『私はこのように考えますが、いかがでしょうか?』と意見を述べます。」
「それが受け入れられない場合は、自分の意見に固執せず上司に従います。後から上司の意見が理解できるようになるかも知れませんし、組織で仕事をする上でのルールだと思いますので。」
上司と意見が食い違って失敗したとき
上司と意見が食い違って失敗したことがあれば、素直にそのこと言います。
大事なことは、そこから学んだことあるいは成長できことを付け加えることです。
こんな感じです。
「はい。実は設計方法で意見が食い違いまして・・・。その時はどうしても上司の方法より自分のやり方の方が効率的と思えたので食い下がってしまいました。」
「上司に『いいから俺の言う通りにやれ。』と言われて従いました。」
「後から冷静に考えてみると上司のやり方は確かに効率の面ではロスが出ますが、安全性が高いことが理解できました。」
「そこで、上司のところへ行って『先ほどは失礼致しました。これこれこういうことだったのですね。勉強になりました。有難うございました。』と伝えたところ、『自分の考え、信念をもって仕事をするのは良いことだよ。これからも意見を聞かせてくれたまえ。通るとはかぎらないけどね。』と言って頂き、その後は良い意味で意見交換ができるようになりました。」
「このことで、人の意見を真摯に聞くことによって成長できるという、良い経験をさせて頂きました。」
この例は信念をもって仕事をしていること、自分の非を認める潔さ、素直さを伝えることになり、良い失敗例と言えます。
上司と意見が食い違ったらどうします ? と面接で聞かれた時のNG回答
ご参考までにNG回答も載せておきますので、間違ってもマネしないでくださいね。
NG回答 その1 独りよがりな答え
「上司はたいして分かっていないのに、自分の思い通りにならないと怒鳴るので、やる気がなくなりました。それで転職をしたいと考えたのです」
これでは独りよがりな人物と思われます。
面接官は「うちの会社に入っても人とぶつかって職場のためにならないだろうな。」と考えて不採用となります。
NG回答 その2 扱いにくい人物
「私は、納得したうえで仕事をしたいと思いますので、もしも意見が食い違ったら、納得するまで上司に理由を聞きます。」
これだと「私は扱いにくい人物です。」と宣言しているようなものです。
既に述べたように、言うことを聞かない部下は、上司にとって邪魔なだけです。
自分の意見に固執する人間は組織で仕事をするには向きません。
自分の思い通りにやりたい人は企業してください。
ということで、やはり不採用となります。
NG回答 その3 仕事に思い入れがない
「もしも意見が食い違ったら、常に上司の意見に従います。」
これだと納得しないで仕事をする。
つまり仕事に思い入れがない人物と取られます。
こちらもやはり不採用ですね。
おわりに
いかがでしたか?
上司と意見が食い違ったらどうするか、面接で聞かれた時どう答えればよいかについて、新卒と中途の両方のケースで解説してきましたが参考になりましたでしょうか ?
ポイントを一言で言うと、
自己を主張する。しかし争わない。
と言うことです。
面倒な質問ですが、上手に乗り切ってくださいね。
最後までお読みくださって有難うございました。