就職が決まらない場合、就職浪人になるのと休学するのとどちらが就活に有利でしょうか ?
はじめに結論を言います。
休学する方が就職浪人になるより就活では有利です !
理由は後程詳しくご説明します。
ここでは就職が決まらず就職浪人になるしかないと思っている人のために、休学した方が就活に有利であることを示し、さらに休学する際の注意点について解説してゆきます。
就職浪人より休学が就活に有利な理由とは ?
冒頭述べた通り、休学する方が就職浪人になるより就活では有利です。
就職浪人は卒業してもまだ就職できていない人。
既に学生ではありません。
企業の採用担当者の就職浪人を見る目は厳しいです。
第二新卒と違って就職したこともなく、学生でもない。
企業にも学校にも所属していない人は「ふらふらしている」という目で見られるのです。
また、就職浪人は「どこにも就職できなかった人」として、何か問題があるかあるいは見るべきところがないかどちらかであろうと見られがちなのです。
それに対して休学はまだ学生ですから、復学後に就活を再開すれば「新卒」扱いとなります。
つまり「就職できなかった」と見られずに済むケースが多いのです。
これが就職浪人より休学が就活に有利な理由です。
但し、注意すべき点は休学の理由です。
次の章でご説明しますね。
休学は理由がポイント
休学の目的が明らかなら就職に有利になります。
一方、休学の目的があいまいならマイナス評価となります。
就職浪人になるのを避けるために敢て休学したと取られる可能性があるからです。
休学の理由としては例えば次のようなものならOKです。
・学費を稼ぐために一旦休学してアルバイトに集中する必要があった
・親が病気になり、一時的に面倒を見なければいけなかった
・どうしてもやりたいことがあって今しかできないことをするため
どうしてもやりたいこと、今しかできないことのしては、たとえば海外で暮らす経験をしたかった等はプラス評価となります。
採用担当者からは目的意識をもって行動に移せる人物として評価されます。
「前年度は就職できなかったから」は、応募先が経営難になって採用を取りやめたなどの特別の理由がないかぎりNGですよ。
休学のメリット
休学のメリットは、就活で就職浪人になるより有利になることだけではありません。
次の点が最大のメリットと言えるでしょう。
時間があるので、自分の進路をじっくり考えることができる
休学中は気になる職種や業界、さらに企業について調べる時間がたっぷりあります。
資格の取得にチャレンジするのも良いでしょう。
せっかく獲得した時間ですから、是非とも有効に活用したいですね。
休学のメリットを下の囲みにまとめておきます。
・自分の進路をじっくり考える時間が持てる
・職種や業界、さらに企業について調べる時間が持てる
・資格取得にチャレンジしやすい
・国内外を見て回るチャンス
・長期インターンシップに参加できる
休学のデメリット
ここで休学のデメリットも見ておきましょう。
休学のデメリットは主に次の3つです。
・社会人になる時期が遅れる
・就活で不利になる可能性がある
・これまでの人間関係を失う
では詳しく見てゆきましょう。
社会人になる時期が遅れる
社会人になる時期が遅れるということは、社会人としての経験や給料が1年分少なくなるということです。
でも、就職してからの伸びは人によって違います。
頑張って仕事が「できる」ようになれば給料は上がりますから挽回可能です。
また、厚生年金の加入年数が1年少なくなりますが、仕事振りがじ用紙に認められて給料が上がれば、将来もらえる厚生年金の額が増えますから、これも挽回できます。
要は休学した分の経済的不利は、就職後に仕事で成長すれば挽回できるのです。
就活で不利になる可能性がある
休学を留年と同様に考える採用担当者もいます。
この場合は就活に不利になります。
でも、多くの採用担当者は休学に納得できる理由があればまマイナス評価はしません。
上の「休学は理由がポイント」の章でご紹介したような理由であれば、面接官の納得を得られるでしょう。
これまでの人間関係を失う
仲間や友人たちは先に就職して離れてゆきます。
でも、親友なら境遇が変っても付き合いは続くでしょう。
部活の仲間も卒業後もOB会などでつながりが続く可能性があります。
ただし、周りは知らない人ばかりなので孤独を感じることは覚悟がしておく必要があるでしょう。
一方で、休学したことで新しい人間関係ができることもありますよ。
就職留年もありか ?
就職浪人と似た言葉に就職留年というものがあります。
違いは、
- 就職浪人は卒業している
- 就職留年は卒業していない
です。
就職留年は次年度の就活のとき、「新卒」として応募できますから、就職浪人より有利と考えられます。
でも、「休学」と違って「留年」は、単位が足りないという理由で卒業できなかったので、採用担当者から見れば評価は下がります。
自らの意志であえて留年する「戦略的留年」という言葉もあります。
しかし、採用する側の見方としては、休学は自らの意志で、留年は自分の意志とは関係なく卒業できなかったというマイナスイメージで見られる可能性があります。
なので、留年の場合も「理由」が重要となり、面接では必ず留年した理由を聞かれます。
そのとき、面接官が納得できる理由を答えられなければ落とされてしまいます。
休学の場合は自分から積極的に選んだ訳ですから理由は答えやすいです。
それに対して留年は「落とされて」しまった訳ですから、どうしても「言い訳」になってしまいます。
- 学資を稼ぐためにアルバイトに時間を取られて単位を取り損なってしまった
くらいが納得を得られ易いでしょう。
できれば留年は避けた方が良いですよ。
休学の注意点
休学にはメリットがあるといっても、誰でも学校に申請すれば許可されるというわけではありません。
各大学にはそれぞれ休学の基準があります。
たとえば、
・留学のため
・経済的理由
・家族の介護のため
・社会貢献のため
などの理由で2ヵ月以上を要する場合、などと定められています。
「就職できないから」は、たいていNGです。
就学の基準については大学の教務課に確認してみると良いです。
また、単位をすべて取ってしまった場合は休学出来ないこともあります。
そのあたりも大学によって異なりますので、やはり教務課に確認する必要があります。
卒業見込みならハローワークの支援を受けられる
休学の注意点で述べたように、単位をすべて取得している場合は、大学によっては休学できない場合があります。
その場合、つまり卒業見込みなら、ハローワークの就労支援を受けるという手もあります。
一般にハローワークは失業者が行くところで、学生の就職支援はしないと思わしょうがちです。
でも、卒業前の学生でも就職支援の制度があります。
それは「求職者支援訓練」です。
失業保険が受けられない人のための国の制度です。
次に該当する人は求職者支援訓練を受けることができます。
・ハローワークに求職の申込みをしていること
・雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
・労働の意思と能力があること
・職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと
出典 : 厚生労働省
求職者支援制度のご案内
しかも、次の条件を満たしていれば月10万円の補助金を受けることができます。
・本人収入が月8万円以下
・世帯全体の収入が月25万円以下
・世帯全体の金融資産が300万円以下
・現在住んでいる住所以外に土地・建物を所有していない
・世帯の中で同時にこの給付金を受給して訓練を受けている者がいない
注意することは、親元から大学に通っている人、親元を離れても住民票を移していない人は「世帯全体の収入」は親の収入も含まれるという点です。
講座には、例えば医療事務、介護実務研修、Webデザイナー等がありますが、地域ごとに開講される講座の内容やスケジュールが異なりますから、最寄りのハローワークにご確認ください。
なお、休学中の場合はハローワークの支援を受けられません。
卒業見込みで就職を希望している人に限ります。
おわりに
いかがでしたか ?
就職が決まらない場合、就職浪人になるより休学する方が就活に有利であること、休学のメリット、デメリットと注意点について、さらに、休学できず、卒業見込みの場合はハローワークの支援を受けられること、また、就職浪人とよく似た言葉の就職留年についてもお伝えしてきましたが参考になりましたでしょうか ?
休学する場合は、休学が無駄にならないように、休学して得たもの、学んだことを活かして就活に臨んでくださいね。
最後までお読みくださって有難うございました。