退職するときの挨拶をメールでするのが一般的になっています。
でも、メールには気になる点がいくつかありますよね。
・社内と社外は同じで良いか
・送るタイミングは
・上司には別に送るのか
・一斉配信で良いのか
・文例は ?
ここでは、これらの疑問にお答えしたいと思います。
退職は人生の節目でもありますから、きちんと挨拶をして、その会社での有終の美を飾りましょう。
退職の挨拶メールはいつ送る?
退職の挨拶メールはいつ送れば良いでしょう ?
タイミングは、社内と社外では少し違います。
順にご説明しますね。
社内なら最終出勤日の朝
社内では、引き継ぎ対応もしているわけですから、周りの人達はあなたが退職されることはそれとなく分かっています。
なので、退職の挨拶メールは最終出社日が妥当です。
時間帯は午前中がよいでしょう。
返信してくれる人もいるでしょうから、定時ギリギリだと、返信してくれても読むことができない可能性があります。
定時が近づいたらメールとは別に、各席を回って直接挨拶をされるのがベターですよ。
このとき、お菓子を配ったりするのも良いと思います。
社外なら最終出勤日の1週間前
社外に退職の挨拶メールを出す場合は、最終出社日より2,3日~1週間くらい前に出すのが理想です。
後任者を伝えて、お客様や取引先に安心してもらう意味もあるからです。
ただ、注意が必要です。
それは、社外への退職の通知は、上司の許可を取ってから行うということです。
理由は、社内で公表していないうちに社外に伝えてしまうと、無用の混乱を招く恐れがあるからです。
後任者となったAさんに、直接取引先から問い合わせがあるかも知れません。
もし、社内であなたが辞めることが公表されていなければ、Aさんはたとえ日引継ぎをしていても、こんなに早く取引先から直接自分に連絡が入るとは思っていないでしょう。
後任者のAさんは戸惑ってしまいます。
なので社外に退職の挨拶メールを贈る場合は、前もって上司に確認しておきます。
「○○部長、取引先に退職の挨拶とともに後任者を連絡しておきたいと思います。」
「つきましてはxx月xx日頃にメールでお伝えしてよろしいでしょうか ?」
上司のOKが出たら、上司から後任者に
「xx月xx日以降は引き継いだことについて取引先から問い合わせがあるかも知れないからよろしく。」
と指示がなされます。
念のため、自分からも後任者にこう伝えておきましょう。
「いついつに社外に挨拶メールを送って○○さんが後任者であることをお伝えしますから、取引先から問い合わせが来るかも知れませんのでその時は宜しくお願いしますね。」
挨拶メールの注意点
退職の挨拶メールでミスをすると、せっかくの挨拶が台無しになってしまいます。
いくつか注意すべきことをあげておきますね。
辞める理由は書かない
定年退職の場合は別ですが、それ以外の場合は退職の理由は書きません。
あくまでも「一身上の都合」です。
たとえどんな理由で退職するにしろ、取引先や職場のみんなに話すことではありません。
特に辞める理由がネガティブな場合は絶対に書いてはいけません。
最後に意趣返しのつもりで書いてしまうと、会社の信用にかかわったり、職場の混乱を招きかねません。
下手をすれば訴えられることもあり得ます。
最後はキレイに去るのがマナーですし、自分のためにもその方が良いですよ。
送付先は全員BCCに
送付先は全員BCCにします。
送付先は、1社ではなく、たいていは何社にもなるでしょう。
もしもメールの宛先に直接取引先の方々を列記すると、余計な情報をばらまいてしまうことになります。
どういうことかと言うと、あなたが在籍してきた会社と取引している会社がお互いにみんな分かってしまうということです。
会社がどの会社と付き合っているかは、通常社外秘です。
中小企業が大手企業と取引していることを、自ら公表するのとは違います。
ライバル会社に取引先を知られたくないことの方が多いのです。
なので、万一メールの宛先が分かってしまうと、取引先は非常に迷惑することになります。
場合によっては会社として「抗議」されたり、「損害賠償」を請求されることだってあり得ますよ。
せっかく善意で退職の挨拶メールを送っても、これでは最後に「大失敗」となってしまいます。
ですから、決して不用意に宛名を書いてはいけません。
必ず全部BCCにする。
これ、常識ですよ。
でも、メールは宛先がひとつもないと送信できません。
なので、宛先には自分のメールアドレスを入れておいてください。
社外用と社内用・上司向けは分ける
社外用は、取引先に出すわけですから、改まった形とします。
一方、社内用は「仲間」に向けたものですから、少しアットホームな感じがよいでしょう。
上司や特にお世話になった人には別途
一斉配信メールだと、通り一遍のことしか書けません。
でも、あなたには特にお世話になった先輩や上司がいることと思います。
そんな方々には、通り一片の挨拶メールとは別に、「その人」だけに向けたお礼のメールを用意しておくと良いです。
もちろん、一斉配信メールのBCCには先輩、上司のアドレスも入れておきます。
そして、一斉配信メールを送信した後で、すかさず、個別のメールを送信します。
こうすることで、特にお世話になった人には、個別に思いを伝えることができて、気持ちよく退社できますよ。
退職後の連絡先は書かない
転職する場合は、挨拶メールに転職後の連絡先は書いてはいけません。
退職の挨拶メールを転職後のビジネスに利用しようとしていると取られかねませんから、くれぐれもご注意くださいね。
なお、退職後の個人の連絡先は、総務・人事の担当者が必ず確認に来ます。
退職後に会社から連絡が必要なことがありますし、後任者が何か分からないことがあって困ったときのために、メールや電話番号を残しておくことが求められるのです。
退職の挨拶メール例文
では、いよいよ例文をご紹介しますね。
社内向けと社外向けは分けて作ります。
そして、特にお世話になった上司または先輩社員にも別に挨拶文を作ると良いでしょう。
社内向け
お世話になった方々へ
□□部 ○田○夫です。
この度、一身上の都合で、△△を退職させていただくこととなりました。
本日が最終出社日となります。
入社以来××年余り、お陰様で皆様と一緒にいろいろな経験をさせていただきました。
この会社での貴重な経験を、今後も活かしていきたいと思っております。
皆様のさらなるご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
なお、退職後の連絡先は下記になります。
なにかありましたらご連絡いただけると幸いです。
xxxx@xxxx.com
今まで、本当にありがとうございました。
○田○夫
社外向け
いつも大変お世話になっております。
株式会社□□の○田○夫です。
私事で恐縮ですが、xx月xx日付けをもって、□□株式会社を退職することとなりました。
入社以来、△△部門などを勤めさせていただき、xx年にわたり大過なく勤めることができましたのも、ひとえに皆様のご支援・ご厚情の賜物と深く感謝しております。
本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、略儀ながらメールでの挨拶になりましたことお詫び申し上げます。
末筆ではありますが、皆様のますますのご発展、ご健勝・ご多幸を心からお祈り申し上げて、退職の挨拶とさせていただきます。
本当にありがとうございました。
尚、今後は後任として〇〇が担当させて頂きますので宜しくお願い致します。
○○メールアドレス : xxxx@xxxx.co.jp
xx月xx日 ○田○夫
上司向け
□□部長
入社以来、これまで大変お世話になり、誠にありがとうございました。
いたらない私を、いつも温かくご指導頂きましたこと、心から感謝しております。
お蔭をもちまして、xx年にわたって無事に勤めることができました。
□□部長とこの会社のますますのご発展をお祈り申し上げます。
後ほど改めてご挨拶に伺いますが、まずはメールにてご挨拶申し上げます。
○田○夫
おわりに
いかがでしたか ?
退職するときの挨拶メールについて注意すべきことをお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか ?
あなたが、気持ちよく退職できますように !
最後までお読みくださってありがとうございました。