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うつ病からの復職はタイミングが大事~焦らないこと!

うつ病で休職してるけど、いつ職場復帰できるかしら・・・。

うつ病からの復職はタイミングが大事です。

 

うつ病で休職すると、

「早く復職しないと休職期間が終わってしまって解雇されてしまうのでは ?」

あるいは

「長く休むと社会復帰できなくなるのでは・・・。」

そんな不安を抱いてしまいがちです。

 

でも焦ってはいけません。

 

十分に回復しないまま復職するとまた調子が悪くなって出勤できなくなり、休職してしまい、やがて退職につながる。

 

時間をかけて退職に向かうことになってしまいかねません。

 

ですから、復職して良いかどうかはタイミングを見極めることがとても大事になります。

 

ここでは、うつ病からの復職のタイミングと復職に際しての再発防止策についてメンタルキャリアカウンセラーの資格を持つ筆者が解説してゆきます。

 

 

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うつ病からの復職のタイミングは

主治医の診断書は本人の希望に副(そ)って書かれることが多いようです。

復職を焦るあまり、主治医に「復職可能」診断書を書いてもらうよう頼む人がいます。

 

主治医としては「本人が望むのだから、働く意欲もあるし、大丈夫だろう。」そう判断して希望通りの診断書を出してくれることが多々あるのです。

 

でも、これはかえって「危険」です。

 

十分に回復しないまま復職するとまたうつの症状を繰り返して仕事ができなくなり、結果的に回復に長い時間がかかってしまうことになりかねません。

 

ではどうしたら良いか ?

 

うつ病からの復職は産業医の面談が有効

会社が産業医と契約しているなら産業医に判断してもらうことをおススメします。

 

理由はこうです。

産業医は本人が勤務する会社からもヒアリングをして客観的な視点から、業務を行えるかどうかを判断する立場にあるからです。

 

労働者数 50 人以上の規模の事業場では最低 1名以上の産業医を選任することが義務付けられています。

 

ですから、お勤めの会社に産業医がいるかどうかを確認して、産業医がいれば相談すると良いです。

 

主治医が復職OKの診断書を出しても、産業医がNGと判断した場合は復職は待った方が賢明なのです。

なぜなら、主治医は日常生活支障ない状態まで回復すれば「復職可能」と判断します。

一方産業医は、日常生活だけでなく業務をこなすまでに回復しているかどうかの判断をするからです。

 

主治医と産業医の「復職可能」の判断の違い

主治医 : 主に日常生活支障ない状態まで回復すれば「復職可能」と判断
産業医 : 日常生活だけでなく業務をこなすまでに回復すれば「復職可能」と判断

 

もしも産業医に、当分復職は難しいと言われたらどうしたら良いでしょう ?

そして、与えられた休職期間が終わってしまったら・・・。

 

その場合は次の2つが考えられます。

・ダメもとで特例として休職期間の延長をしてもらうよう会社にお願いする
・素直に退職する

 

退職した場合は、治療とその後のリハビリ(社会復帰プログラム)に専念することです。

長い人生の1年くらい無職の時期があっても良い、と腹をくくることです。

 

ただ、あまり長引くと社会復帰するのが「億劫」になってしまいます。

 

働かない期間も規則正しい生活を送らないと、単なる「なまけ癖」になってしまいますから、気を付けましょう。

 

休職中の過ごし方についてはこちらをご参照ください。
うつ病で休職中の過ごし方はこうしよう ! 段階別に解説

 

また、生活費についてはこちらが参考になるかと思います。
うつ病への支援・お金編~傷病手当金と障害年金を徹底解説

 

では、会社に産業医がいない場合は如何したら良いでしょう ?

 

 

会社に産業医がいない場合

会社に産業医がいない場合は、主治医に会社と連携してもらうことです。

会社は本人の同意がないと主治医にあれこれと聞くことはできませんし、面談に同席することもできません。

 

そして、たいていの場合、本人は会社が主治医とコンタクトするのを嫌がるものです。

なにか、弱味を見られるような気がするし、プライベートなことまで会社に介入して欲しくないと思うからです。

 

でも、ここはあえて主治医と会社の両方に協力してもらって、できるだけ主治医が客観的な判断をすることができる体制を作ることで、復職のタイミングを誤らずに済むと考えた方が良いです。

 

会社の人事の人も本人と一緒に主治医と面談することを面倒がるかも知れません。

 

その点に関しては人事担当者の人柄や職責のとらえ方によりますが、お互いに信頼関係があるのでしたら是非ともおすすめしたい方法です。

 

場合によっては会社側から本人に、主治医との面談をしたいと申し入れがあるかも知れません。

 

 

うつ病からの復職に際しての再発防止策

せっかくうつ病から復職しても、万一再発してしまうと「自分はやっぱりダメなのか・・・」と自信を喪失して一層悪化しかねません。

 

そこで再発しないよう対策が必要です。

 

復職プログラムに従う

産業医や主治医から復職して良いという診断をもらったとき、すぐに以前と同じペースで仕事をするのはかなりキツイことになります。

 

そこで、初めは週3回程度半日勤務をして徐々に体と心を慣らしてゆくのが望ましいと言われています。

 

これを復職プログラムと言います。

 

産業医や主治医から復職プログラムを提案されたらそれに従うこと。

 

ただし、復職プログラムは会社の理解と協力が必要です。

じつは復職プログラムを取り入れてくれるかどうかは会社によって対応がまちまちなのです。

 

「そんな特別扱いはできない」とか「他の社員に対して不公平になる」と言って受け入れてくれない会社もあります。

 

このあたりは経営者の判断によるところが大きいです。

特に中小企業の創業者社長にはガンガン行くタイプの人間も多く、そういう人は概してうつ病など、弱い者に対する理解が乏しいことがあるものです。

 

復職プログラムに対する理解が得られない場合は仕方がありませんから、何とか通常勤務にトライしてみるしかないでしょう。

 

 

配置転換はしない

復職に際して、軽い業務を与えるということで休職前とは違う部署に配置転換されるケースがあります。

会社側の配慮のひとつです。

 

でも、あまりおすすめではありません。

本人にとっては新しい職場は緊張が高くなり、慣れた職場の方が抵抗が少ないからです。

 

ただし、うつ病になった原因が職場上司のパワハラに遭った場合は配置転換してもらった方が良いです。

 

配置転換をした方が良い場合

せっかく復職しても元の職場だとパワハラ上司がいるなど、そもそもうつ病の原因が職場に有った場合は再発の可能性が高くなります。

 

この場合は復職前に配置換えを申し入れるのが望ましいです。

 

それが叶わない場合は、思い切って転職を視野に入れるのもありですよ。

 

通常勤務に戻ってから

復職プログラムに従って1ヵ月ほど間時短勤務のあと、慣れたのでもう大丈夫と判断して通常勤務に戻った途端に再び体調が優れなくなって午後からキツクなるケースも多々あります。

通常勤務に戻るのが早すぎたのです。

 

いつ通常勤務に戻れるかは人によって様々です。

通常勤務に戻るのも「お試し」ととらえ、会社にもそう理解してもらう必要があります。

 

そこで、通常勤務に戻る前に本人から会社に次のように伝えておくと良いでしょう。

 

「通常勤務に戻ってもまだ無理なようなら再度時短にして頂くかも知れませんので、申し訳ありませんがその場合は宜しくお願い致します。」

 

 

特に、真面目な人ほど通常勤務に戻ってから頑張りすぎてオーバーワークとなってしまいがちです。

 

これまで求職して周りやお客様に迷惑をかけたことの穴埋めをしなければならないという気持ちになるからです。

 

でも、決して飛ばし過ぎてはいけません。

様子を見ながら徐々にペースを上げるようにしてくださいね。

 

おわりに

いかがでしたか ?

うつ病からの復職のタイミングについて、また、復職に際しての再発防止対策についてもお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか ?

 

「うつ病で休職」はひとつの試練です。

 

その試練を乗り越えて復職できたなら、人間として一回りも二回りも大きく成長していることと思います。

 

きっと、うつ病になる前よりも強くなっていることでしょう。

 

これからの人生が幸せなものとなりますように !

 

最後までお読みくださって有難うございました。