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副業したら社会保険を二重に払う ? たいていは必要ありません

副業したらもしかして社会保険料を二重にはらうの?

副業をしたら、社会保険を二重に払うことになるのでしょうか ?

 

副業して収入が増えたら所得税が増えます。

住民税にも影響がでます。

 

では、社会保険料はどうでしょう ?

 

副業には、2つのケースが考えられます。

 

①本業以外にネットビジネスなど、フリーランスや自営業で稼ぐ
②本業とは別の会社に雇用されて給料をもらう

 

①の副業としてフリーランスなとで稼ぐ場合は社会保険料は問題になりません。

問題は、2社以上からから給料をもらう場合です。

 

この場合は、労働時間と給料によっては社会保険料を二重に支払わなければならないケースがあります。

 

初めに結論を言います。

 

本業でしっかり働いている人は、副業で社会保険料を二重に払うことはほとんどありません。

 

そんなに働けないからです。

 

ここでは、副業したら社会保険を二重に払う必要があるかどうかについて条件を詳しく解説してゆきます。

 

なお、ここで言う社会保険料とは、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の3つを言いますよ。

 

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副業で社会保険を二重に払うケースとは

では、副業で社会保険を二重に払わなければならないケースを確認しましょう。

 

副業で社会保険料を払うのは次の2つの場合です。

 

副業でも社会保険料を払うケース

・勤務時間が一般社員の4分の3以上の場合
・一定規模以上の企業で週20時間以上働く場合

 

 

詳しくご説明しますね。

次のいずれかの場合は、本業以外の会社でも社会保険に加入しなければなりません。

 

副業でも社会保険の加入が必要なケース

(A) 1週の所定労働時間および1月の所定労働日数が、一般社員の4分の3以上である場合

または、

(B) 次の5つの条件をすべて満たしている場合
①週の所定労働時間が20時間以上であること
②2ヵ月以上雇用が見込まれること
③賃金の月額が8.8万円以上であること
④学生でないこと
⑤常時101人以上を雇用している企業に勤めていること

 

(A)は副業の収入や雇用される会社の規模には関係ありません。

 

(B)の常時雇用人数の条件は次のように段階的に拡大されています。

 

正社員以外も社会保険に加入させる義務の対象企業

・2022年9月までは従業員数501人以上の企業が対象
・2022年10月1日からは従業員101人以上の企業が対象
・2024年10月1日からは従業員51人以上の企業が対象

 

ただし、労使協定による合意があれば従業員数によらずに正社員以外を社会保険に加入させるることができますよ。

 

従って、副業先でも社会保険に加入するケースが多くなります。

 

なお、ここで言う従業員数とは、正社員だけではなく正社員の勤務時間の3/4以上働くパートの人数も含まれています。

 

従業員数のカウント方法

従業員数 = フルタイムの従業員数 + 週労働時間がフルタイムの3/4以上の従業員数

 

 

副業で社会保険を二重に払う場合の勤務時間

 

では、現実的にどれくらい働けば社会保険料を二重に払うことになるのか確認しておきましょう。

上で見た(A)、(B)いずれの場合も本業と合わせるとかなりのハードワークです。

 

順にご説明します。

 

副業で一般社員の4分の3以上働く場合

上の条件(A)は、「週の所定労働時間および1月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上」ですから、通常の勤務を

 

8時間/日×5日/週とすると1週間に8時間/日×5日/週×3/4 = 30時間 働くことになります。

平日だけの副業なら30時間÷5 = 6時間/日

本業を1日8時間働いてさらに副業で1日6時間も働くことになります。

 

副業の会社までの移動時間もかかりますから、かなりハードな働きかたとなりますよね。

体を壊しかねません。

 

 

一定規模以上の企業での副業で週20時間以上働く場合

従業員数101人以上(2024年10月1日からは従業員51人以上)で、パート・アルバイトも社会保険に加入させる義務のある会社で週20時間働く場合を具体的に確認してみましょう。

 

週20時間を平日だけとするなら、1日4時間勤務です。

 

本業で毎日8時間働いてさらに副業先で1日4時間働く。

 

これもキツイですね。

 

仮に土日で働くとしたら副業で1日10時間勤務。

休み無しですから平日以上にハードかも知れません。

 

 

こうして見てきたように、本業をしっかり1日8時間働いている人が副業先でも社会保険に加入しなければならないのは自分に「超ハードワーク」を課した場合のみです。

 

ですから、副業でいくら稼いでも、副業の勤務時間が週に数時間程度なら社会保険料を二重に支払う必要はないということがお分かり頂けたと思います。

 

でも、もし本業が不況などで時短などを余儀なくされた場合は、本業と副業を合わせてもそれほどハードワークにならずに社会保険料を二重に支払う必要が生じることが予想されます。

 

もしも社会保険料を二重に支払うことになったら

では、社会保険料を二重に支払うことになったらどうなるのか、次の3つについて解説しておきますね。

・手続き
・健康保険証
・給料からの天引き

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手続きは

まず、どちらの会社を主たる事業所とするかを決めます。

 

そして次の書類を主たる事業所となる会社を管轄する年金事務所または健康保険組合に提出する必要があります。

 

・「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」

 

すべての会社の名称、月額報酬などを記入します。

 

書式は日本年金機構のHPよりダウンロードすることができますので、こちらをご参照ください。

日本年金機構
複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き

 

健康保険証は

複数の会社で健康保険・厚生年金保険に加入して場合も、健康保険証はメインの勤務先から発行される1枚だけです。

 

複数発行されることはありません。

 

健康保険料は

健康保険料は、本業と副業先の給与の合計を按分して保険料が天引きされます。

 

2ヵ所で社会保険に加入することとなった場合、給料から天引きされる保険料は次のようにして決まります。

 

①本業の給与と副業先の給与を合計した額から保険料を求める
②保険料はそれぞれの給与の額に応じて按分して天引きされる

 

保険料は標準報酬月額(給料の等級のようなもの)で決まります。

 

例えば、本業の月給が20万円、副業の月給が15万円の場合の健康保険料を見てみましょう。

 

月給の合計額が35万円ですから、社会保険料の基礎となる標準報酬月額は36万円となります。

 

すると2022年の東京都を例にとると介護保険の不要な人で、

健康保険料   : 17,658円
厚生年金保険料 : 32,940円

この保険料を20万円と15万円で按分するとそれぞれ35分の20と35分の15で、次のようになります。

 

[健康保険料] 本業 : 17,658÷35×20 = 10,090円
副業 :17,658÷35×15 =  7,568円

 

[厚生年金保険料] 本業 : 32,940÷35×20 = 18,823円
副業 : 32,940÷35×15 = 14,117円

 

これが、それぞれの会社で給料から天引きされることになります。

 

 

副業で収入が増えれば将来の年金も増えるか?

副業でも社会保険(つまり厚生年金保険)に加入していれば将来の年金は増えます。

 

本業+副業というより、2つのパートの掛け持ち、つまり副業+副業のような働き方を見ておきましょう。

 

例えば1日4時間で週20時間のパートを2つ掛け持ちして、そのどちらも1年以上雇用が見込まれ、勤務先がいずれもパートを社会保険に加入させる義務のある規模の事業所に該当する場合です。

この場合は、両方のパート先で社会保険に加入してもらえるので、当然将来の年金は増えることになります。

 

一方、本業で週40時間以上働いている人が副業で更に週20時間働くのはキツイでしょうから、たいていの人は副業をしても社会保険の加入は本業のみとなるでしょう。

この場合は副業による将来の年金の増加はありません。

 

 

おわりに

いかがでしたか ?

副業をしたら、社会保険を二重に払うことになるのか、その場合の額はどうやって決まるのか、また、それぞれの会社ではいくら給料から天引きされるのかについてお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか ?

本業がフルタイム勤務ならかなりのハードワークでなければ社会保険料を二重に払うことはありませんが、フルタイムでない場合は二重に払うことで将来の年金が増えて生活の支えになることがお分かりいただけたと思います。

 

最後までお読みくださって有難うこざいました。