ニートは住民税を払う必要はない。
だって、働いてないんだから。
そう思うかも知れませんね。
でも、ニートでも住民税を払わないといけないことがあります。
前年度に働いていたり、アルバイトをして収入があった場合です。
住民税の額は前年度の収入で決まるからです。
そんなこと言われても、今働いてないんだから払えないよ !
そういう場合はどうしたらよいでしょう ?
「減免」や「猶予」の申請をしてみてください。
からなずしも申請が通るとは限りません。
でも減免でなくても「猶予」してもらえる可能性もあります。
ここではニートになった時に住民税をどうしたらよいかについて解説してゆきます。
住民税は収入がなくても課税される
住民税は、都道府県税と市区町村税の合計を言います。
そして、住民税は収入に応じて課税される「所得割額」と収入がなくても課税される「均等割額」の2つから構成されています。
住民税 = 「所得割額」+ 「均等割額」
住民税の大部分は「所得割額」で 所得の10%、「均等割額」はたいてい年額5,000円くらいです。
ただし、住民税は都道府県、市区町村が決めるので、全国一律ではなく、若干の違いはあります。
でも、たいていの都道府県・市区町村では所得の10%が住民税として課税されるとみておけば良いでしょう。
前年度の収入がなければ当然「所得割額」は「ゼロ」です。
でも、たとえ現在ニートで収入がなくても、前年度に収入があれば「所得割額」として所得の10%が課税されます。
また、「均等割額」は収入がなくても課税されるのです。
ニートにとっては年額5,000円でもできれば払いたくないですよね。
ただし、前年度の収入が一定額に満たない場合は課税されません。
課税されない収入の基準は都道府県・市区町村で違いがありますので、お住いの市区町村の役場にご確認ください。
ここでは札幌市を例としてご紹介しておきますね。
均等割・所得割ともに
課税されない人 |
前年の合計所得金額が次の額以下の人
・扶養家族のない人 35万円 ・扶養家族のある人 35万円×家族数(本人+控除対象配偶者+扶養家族数)+21万円 |
所得割が課税されない人 | 前年の総所得金額等の合計額(※2)が次の額以下の人
・扶養家族のない人 35万円 ・扶養家族のある人 35万円×家族数(本人+控除対象配偶者+扶養家族数)+32万円 |
注1)合計所得金額 : 総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額
注2)総所得金額等の合計額 : 合計所得金額から繰越控除額を控除したもの
(繰越控除額とは前年度に控除しきれなかった額を言います。)
出展 :
札幌市 個人市民税
上の表は言葉が分かりにくいですが、単純に独身のニートなら
前年の所得が35万円以下なら住民税はかからない
給与収入に換算すれば、給与所得控除が65万円あるので、35万円+65万円=100万円以下なら住民税はかからない
と言うことです。
住民税がざっくりどれくらいか分かったところで、次にその住民税を払えないときどうしたらよいかについてお伝えしましょう。
住民税が払えないときどうする
原則として、住民税の免除はありません。
ではどうするのか ?
役場の市民税課に相談する
でも・・・市民税課など、市区町村の役場に相談してください。
住民税は既に述べたように都道府県・市区町村額を決定しています。
柔軟な対応をしてくれる役場もあります。
具体的には「減免」、「猶予」または分割払いを認めてもらえる可能性があります。
特に、ニートになった理由がやむを得ない事情だったりすると認められやすいでしょう。
役場に相談する際は、たいていの場合、所得証明や通帳が必要となります。
何が必要かも役場に問い合わせてあらかじめ用意しておきましょう。
ポイントは、払えなくなったら出来るだけ早く役場に相談すること。
黙って滞納すると役場の心象も良くありません。
それに住民税を滞納するとペナルティが課せられてしまいます。
滞納するとどうなる
住民税を滞納すると延滞利息が追加されます。
先ほど同様に札幌市の例をご紹介しましょう。
納付期限の翌日から1ヶ月を経過する日までは、年2.6%の延滞金金利がかかります。
これが1ヶ月を経過した日以降は年8.9%に跳ね上がります。
住民税は溜めると怖いのです。
さらに、督促状が届いても無視すると、預貯金、生命保険解約返戻金などを差し押さえられてしまうこともあります。
決して無視しないでください。
おわりに
いかがでしたか ?
ニートでも住民税を払わなくてはならないケースがあること、また、払えないときはどうしたら良いかについてお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか ?
ニートになって2年目以降は住民税もかからなくなります。
もしも安いアパートに暮らして、年間の給与所得が100万円以下で生活できるなら、ずっと住民税タダです。
住んでいる市区町村の公共のサービス(たとえばゴミの収集もそうです)を受けて暮らしてゆくわけですから、しっかり税金を払えるに越したことはありません。
そうは言っても払えないときは早めに市民税課に相談することが大事。
あなたが幸せに暮らしてゆけますように。
最後までお読みくださってありがとうございました。