うつ病で休職中の過ごし方はどうしたら良いのか ?
焦ってはいけない言う人もいれば、いつまでも休んでいると職場に復帰できなくなるので、少しずつ復帰の準備を進めるべきだと言う人もいます。
じつは、段階ごとに異なるのです。
ここでは、何人かのうつ病で休職して復職した人を見てきた私の私見として、うつ病で休職中の過ごし方はどうしたら良いのかについて、段階別に解説したいと思います。
うつ病で休職中の過ごし方は段階によって異なります。
休職初期・中期・終期にわけて解説してゆきます。
うつ病で休職中~初期の過ごし方
辛い日々から解放されて、休職することになったら、初めのうちは何もする気もおこらないでしょう。
休職の初めはこんなふうに過ごされると良いです。
ひたすら休む
何もせずひたすら休む。
休職したら、初めのうちは仕事のことやストレスの原因となった上司とか客のことを忘れて心を落ち着かせましょう。
ただ、昼夜逆転の生活や締め切った部屋での引きこもりはいけません。
日の光を浴びる
特におすすめしたいのは、朝になったら起きて日の光を浴びること。
太陽の光には、うつ病を「癒す」効果があるからです。
太陽の光を浴びることで、「セロトニン」という脳内物質が活性化されます。
「セロトニン」というのは、精神の安定に大きな影響を与えるホルモンで、別名「幸せホルモン」とも呼ばれています。
セロトニンが不足すると、ストレス障害やうつ病になりやすいのです。
日の光を浴びることによって、皮膚でビタミンDが作られます。
そしてビタミンDには、セロトニンを合成し、脳内への放出を促す働きがあるのです。
これが、太陽の光を浴びることが「うつ病」を癒す効果があるという理由です。
「幸せホルモン」セロトニンの話のついでに、うつ病に良い食べ物もご紹介しておきます。
「きのこ」と「魚介類」です。
セロトニンの合成に欠かせないビタミンDを豊富に含んでいるからです。
ビタミンDは脂溶性で、熱にも強いので、きのこや魚介類は炒め物などにして、油と一緒に摂取すると良く吸収されます。
また、ビタミンDはうつ病に良いだけでなく、免疫力を高める作用もあることを付け加えておきます。
特に冬は太陽の光が弱く、日照時間も短いので、ビタミンDが皮膚で合成されにくく不足しがちです。
風邪やインフルエンザ、ましてや新型コロナなんかに罹らないためにも、きのこや魚介類を摂るように心がけてはいかがでしようか。
さて、一週間も何もしない日々を過ごせば、今度は「いつまでもこのままで、どうなるんだろう ?」とまた不安にかられたりします。
そうならないためにはどうしたら良いか。
次の節でお伝えしましょう。
うつ病で休職中~中期の過ごし方
何もしないでゆっくり休む日々をある程度続けたら、次の段階は、
規則正しい生活をすること
です。
そのためにはどうしたら良いかをご説明します。
規則正しく生活する方法
規則正しく生活するための手段として、よく耳にするのは「図書館に通うこと」。
これは専門のドクターがうつ病で休職している人にするアドバイスとしてご存知の方もおられるでしょう。
図書館ならたいていそう遠くないところにありますし、お金もかかりません。
ただ行って帰ってくるのではなく、興味をもてる本を選んで毎日すこしずつ読み進める。
それによって、明日も行って続きを読もうというモチベーションを維持することができます。
ところで、規則正しい生活をするには、なにも図書館通いでなくても良いのです。
たとえば、毎日決まった時間に散歩をする。
先にお伝えした日の光を浴びることを兼ねることができるのでおすすめです。
出来れば、朝起きて顔を洗ったら、着替えて朝の光を浴びながら20分~30分かけて家の近くや公園などを散歩すると良いです。
お腹もすいて、朝ご飯をおいしくいただけるという効果もありますよ。
うつ病で休職中~休職終期の過ごし方
規則正しい生活ができるようになったら、次の段階に進みましょう。
復職に備えることです。
リワークとは
復職するためには人との関わり合いにも慣れる必要があります。
そのために有効な手段が「リワーク」です。
リワークとは、「Re-Work」つまり再び働くこと。
うつ病などで求職している人が再び働けるようになるためのサポートを「リワーク」と言います。
うつ病などからある程度回復して、復職の準備をしたい人が対象です。
基本的にはリワークを提供している施設や医療機関などに通うことでサポートを受けることになります。
主治医に相談して、OKがでたら活用してみてはいかがでしょうか。
受けられるサポートは、たとえば
・セルフケア講習
・グループワーク
・対人コミュニケーション
・ストレス対処法
・再発予防法
・作業課題の実施
・復職後のフォロー
など、利用者ごとに自分に合ったプログラムを選択するとこができます。
通所することで、
規則的な生活+他の人たちとの関わり+体調管理
などの復職準備を進めることができます。
ただし、施設によっては受けられるプログラムが異なりますし、費用の有無も違ってきます。
では次に、リワークを受けられる施設についてご説明しましょう。
リワークはどこで受けられる ?
リワークを提供する機関として、おもに次の4つがあげられます。
①医療機関
②地域障害者職業センター
③就労移行支援事業所
④会社が独自に運営(専門業者への委託)
順にご説明しましよう。
なお、会社が独自にリワークを提供するのはほとんど大会社に限られますので、ここでは説明を省きます。
医療機関
リワークを提供している医療機関が全国にあります。
下記をご参照下さい。
日本うつ病リワーク協会 リワーク施設一覧
ただ、主治医の条件があるケースもあります。
先ずはかかりつけの主治医にその病院でリワークを受けられるか、受けられない場合はどこかを紹介してもらえるかを相談されると良いです。
なお、医療機関ですから費用が掛かります。
自立支援制度
医療機関での費用を抑えるために、「自立支援」という制度があります。
精神科の病院などに入院しないで行われる治療の自己負担額を軽減できる制度です。
自立支援が適用されると、本人の負担は基本的には1割です。
適用を受けるには、主治医に相談した上で市区町村の障害福祉課で申請用紙をもらいます。
そして主治医に申請用紙に記入してもらって障害福祉課に提出します。
地域障害者職業センター
全国の各都道府県に最低1か所ずつ地域障害者職業センターが設置されています。
運営しているのは、独立行政法人高齢・障害者・求職者雇用支援機構です。
個人ごとに、リハビリテーションの方針を決めて、基本的な労働習慣や、職場でコミュニケーション能力の向上をサポートして職場復帰を支援します。
費用はかかりません。
全国の障害者職業センターはこちらから探せます。
地域障害者職業センター
就労移行支援事業所
こちらは、地方自治体から指定を受けてうつ病などで働けない人の復職をサポートしている機関で、全国に約3300ヵ所以上あります。
費用が掛かりますが本人は1割負担です。
問い合わせ先 : お住まいの市区町村の障害福祉課となります。
リワークを受けられる3種類の施設についてご説明してきましたが、最初に見学させてもらって、自分合いそうかどうかを良く見た上で活用されると良いです。
中には、プログラムを強要されて嫌気がさしてしまうケースもありますので、職員とも良く話をしてから決めてくださいね。
おわりに
いかかがでしたか ?
うつ病で求職中の過ごし方について、復職への準備の観点からお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか ?
長い人生の間には、1年位休職しなければならないこともあります。
神様が「いまは休んで次のステージに備えなさい」と仰っているのだと腹をくくってしまいましょう。
あなたが、うつ病の辛さから解放されて、或いは苦痛が和らいで穏やかに暮らせますように。
最後までお読みくださってありがとうございました。