「会社の辞め方って、退職届を出せばいいんじやないの ?」
「たしか2週間前だっけ・・・」
と思っていませんか ?
そう単純ではありません。
じつは会社の辞め方には手順があるんです。
せっかく入社した会社ですから・・・。
できれば充実した会社生活を長く送りたいものですよね。
でも、人には様々な理由で会社を辞めざるを得ないことがあります。
前向きな理由。
後ろ向きな理由。
私自身も転職を繰り返してきましたから「辞める」という決断に至るまでの悩み、お察しします。
でも、いまは辞める理由についてはとやかく言いません。
辞める決心をしたなら、できるだけスムースに辞めるのがベターですから・・・。
ここでは、私自身の転職の経験から、無理のない会社の辞め方について、その手順をお伝えしたいと思います。
会社の辞め方の手順とは ?
理想の辞め方は、何と言っても「円満退職」。
そして、「立つ鳥跡を濁さず」です。
そためにはどういう手順を踏むのが良いかを考えて見ましよう。
労働法では、2週間前に意思表示をすれば辞めることができるとされています。
でもこれは、どうしても職場と折り合いがつかない時に、労働者を守るための法律ですから、法を盾に無理やり辞めると周りに迷惑がかかります。
なので、会社を辞めるにはやはりそれなりの「手順を踏む」必要があるのです。
無理なく会社を辞める手順は次の通り。
(1) 上司に相談する
(2) 引継ぎをしっかりおこなう
(3) 挨拶を忘れない
順にご説明しましょう。
辞める前に上司に相談する
まずは、上司に「相談」という段取りを踏みます。
「ご相談したいことがありますので、ご都合の良いときにお時間を頂けませんでしょうか ?」
時間を取ってもらったら、次のように切り出します。
「じつは、いままでたいへんお世話になってきましたが、退職させて頂きたいと考えておりまして・・・。」
こういう段取りを踏まないで辞めると、「トラブルを起こして辞めた」と言われかねません。
上司との相談では次の3つについて大筋を決めます。
・誰に何を引き継ぐか
・いつから引き継ぐか
・いつ辞めるか
辞める時期については、こちらの希望を述べて上司に調整してもらいます。
なぜ、調整が必要かと言うと、引き継ぎの都合があるからです。
会社としては、引き継ぐ相手の手当をしなければなりません。
すぐに引き継げればよいですが、引き継ぎ相手の手当に時間が掛かることもあります。
ただ、こちらとしてはいつまでも待てませんよね。
次の就職先が決まっていればなおさらです。
ですから、タイムリミットはハッキリと上司に伝えて下さい。
辞め方は就業規則に従う
会社には「就業規則」があって、そこには、たとえば「退職する場合は1ヵ月前までに書面で申し出ること」とか、書かれています。
なので、退職届けも就業規則にのっとって提出してください。
あとで、退職時期の件で会社とトラブルにならないためです。
次の就職先が決まっているのに退職時期でもめると、困ったことになりかねませんから。
それでも、です。
就業規則にさえ従っていればいいわけではありません。
いきなり上司に「退職届け」を出すのではなく、その前に「相談」という手順を踏むのが「円満退職」のコツです。
ただ、
「こんなクソ上司の下でこれ以上働けるか !!」
という場合は、就業規則通りにいきなり「退職」届けを出すのも「アリ」ではありますが・・・。
では次に、引き継ぎのポイントをお伝えしましょう。
引継ぎはこうする
引継ぎは口頭で済ませてはいけません。
引継ぎ資料をしっかり作ります。
引き継いだ人が困らないように、それを読めば分かるようにすることが大事。
これが、「立つ鳥跡を濁さず」です。
「○○さんは、引継ぎ資料をしっかり残してくれたから助かりました。」
と後で言われるくらいだと理想的です。
引き継ぎの相手と後年どこかでまた、仕事上の関わりを持つ立場になるかも知れませんしね。
あと、次に行く会社が、前に会社での働きぶりを調査することもありますから。
そんなときに、どんな辞め方をしたかが問われるのです。
最終日には挨拶を忘れずに
最終出社日には、係わりを持った各部署の人たちに挨拶しよう。
一人一人の席にお邪魔して、これまでお世話になったお礼を述べます。
これができる人は、人の支援を受けやすい人。
大きな会社なら自分がいる部署だけでOKです。
会社が小さい場合は、全部まわっておいた方が良いでしょう。
仮にやめる理由が「会社がイヤだ」とか「上司がイヤだ」とか、後ろ向きのものであったしても、です。
最後の挨拶は、「けじめ」としてきちんとしておくのが良識ある社会人としての行動ですよ。
「○○さんは、挨拶もしないで辞めていったよ。」
と言われないようにしましょう。
会社を辞める理由を聞かれたら
退職の意思表示をすれば、必ず聞かれるのは、「辞める理由」です。
「なぜ ?」
「どうして辞めるの ? 何か不満があるのか ?」
自分にやりたいことがあってやめる場合は、素直に話して構いません。
と言うより話した方が良いです。
上司は部下が辞める理由をことのほか気にします。
もしも「不満」があって辞めるのであれば、それはとりもなおさず上司の管理能力とか、マネジメント力の不足を物語っていることになるからです。
もっとも、上司に対して不満があって辞める場合は、そんなことを気に掛ける上司ではないでしょうけど・・・。
「自分は、もっとこういうことにチャレンジしたいと思っています。」
「自分自身のキャリアアップにつながると思いますし・・・。」
というようなことを理由とされれば、上司も一応
「それならしょうがないか・・・」
ということになります。
もちろん、辞める理由として「誰それさんと合いませんので」はダメです。
残った人に迷惑をかけて辞めることになります。
たとえ、それがあなたの嫌いな人でも、です。
「人を理由にしない」が禍根を残さないコツですよ。
「辞める理由」をまとめると、
・ほかにやりたいことがあるなど、前向きな理由とする
・人のことを理由にしない
おわりに
いかがでしたか ?
会社を辞めるときの手順についてお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか ?
いろいろ細かいことを言ってきたのには理由があります。
すべて、円満に退職する要件だからです。
円満退職した人は、次に行ったところ(会社)でも、たいていうまくやって行けるものです。
最後にまとめておきますね。
・いきなり「退職届」を出さずに上司に「相談」という手順を踏む
・退職時期、引き継ぎ相手などを上司に調整してもらう
・退職時期のリミットをはっきり伝える
・引き継ぎ資料をしっかり作る
・最終日は最後の挨拶をする
たとえあなたが会社を辞める場合でも、「円満退職」して、次の会社で明るく働けますように !
最後までお読みくださってありがとうございました。